鶯谷デリヘルのうらら(アリエルクラブ)は写真と別人。それでも攻められて完敗した
本命はドタキャン、回ってきたのがうららだった
木曜の夜。仕事が二十一時に上がって、そのまま山手線で鶯谷まで出た。雨が降っていて、駅の階段を降りたところで傘を買うか迷い、結局コンビニは素通りした。濡れて歩く十五分が妙に長い。
この日の本命は別の子だった。それが直前で飛んだ。アリエルクラブでこれを食らうのは初めてではない。前に来たときも同じで、当日振替になっている。残念というより、またかという気分だった。
うーん、と思いながら、提示された名前を眺めた。
うらら。プロフィールを開いて写真をひととおり見て、まあ悪くないかと思って了承した。この「まあ悪くないか」が、あとで全部ひっくり返ることになる。
やり取りはSMSだけで終わった。会員登録を先に済ませてあると、この店はここが早い。八十分のコースで、部屋はいつも使っているホテルを指定した。交通費は鶯谷と日暮里なら乗らない。
うららの押し方
ドアを開けて三秒で持っていかれた
「こんにちは〜!」。ドアを開けた瞬間の第一声がこれだった。声が大きい。廊下に響かないかと一瞬ひやりとした。
顔は、写真とは別人だった。パネルの目は加工で相当盛られている。実物は幼くて輪郭も丸く、街ですれ違っても振り返らないタイプの顔立ちだと思う。ここは正直に書いておく。
がっかりはした。ただ、それが続いたのは最初の三十秒だけだった。
料金と時間を確認してくるあいだ、距離が近い。肩がぴったりくっついている。無駄話で時間を稼ぐ気配がまったくない。こちらが何をしに来たのかを読み切っている動きだった。
シャワーと歯磨きは先に済ませてあると伝えると、じゃあ始めよっか、とそのまま唇が来た。右手は股間を撫でている。部屋の照明が明るすぎたので、少し落としてほしいとだけ頼んだ。
服を脱がせ合いながらベッドに倒れ込む。シャツのボタンを外す手つきが妙に慣れていて、脱がされる側に回っているという感覚だけで、もう半分終わっていた。
委ねる側に回された
攻めるより攻められたい。最初にそう伝えると、彼女は素直に受けに回ってくれた。ただ、それが続いたのは十分ほどで、「私も攻めたい」と言って立場が入れ替わった。
首筋から鎖骨、脇腹、内ももへ。舌がぺろぺろと這って、ぬるぬるした感触が肌の上を移動していく。脇腹で体がビクッと跳ねたら、「ここ弱いでしょ」と笑われた。図星だった。
胸に顔を埋めると、汗の匂いと安い柔軟剤の匂いが混ざっていた。生活感のあるその匂いのほうが、香水よりよほど効く。
顔を上げてこちらを見て、にこっと笑う。行為の最中ずっとそれをやってくる。身を委ねるしかなくなる瞬間が、たしかにあった。
手を止めようとすると押さえられる。焦らされているというより、ペースを完全に握られている感覚だった。
乳首は攻めてほしかったが、彼女が「くすぐったいの苦手」と言って早々に切り上げてしまった。舌の力加減も終始一定で、そこだけは単調に感じた。
交代して、こちらが手を使うと反応が良かった。二度ほど達している。乾きやすいからとジェルを使う子で、その説明のくだりだけは事務的だった。
指を入れると内側が熱くて、太ももが震えていた。演技かどうかは分からないが、少なくとも呼吸は嘘をついていない。声を殺すタイプで、枕に顔を押しつけて我慢する。
騎乗で上から見下ろされる角度がよかった。細い体が動くたびに視界が揺れる。やばい、と思ったときにはもう遅かった。バックに切り替えてからは、ほとんど記憶が飛んでいる。
一度目のあと、五分ほど並んで寝転がって他愛のない話をした。そのあいだも手はずっと繋がれたままで、そのまま二度目に流れた。
もう、ダメだ。そう思ったのは二度目の途中だった。普段は一回で終わる人間なのに。
で、八十分をどう思ったか
顔で選ぶ店ではない、というのが結論になる。ルックスだけを切り出せば六点か七点。それでも終わってみると満足度は高い。距離の詰め方と会話の振り方で全部持っていく子だった。
質問の投げ方が上手い。何をしている人か、どのくらいの頻度で来るのか、こちらが話したくなる順番で聞いてくる。夜の仕事を長くやっていた人なんじゃないかと思う。
不満もある。まず、この店は振替が多い。前回も今回も本命に会えていない。電話は出るのが早いし謝り方も丁寧だが、丁寧に謝られたところで会えない事実は変わらない。
部屋も駅裏の狭いところしか空いていなかった。時間は押し気味で、終わったあとの余韻はほとんどなかった。シャワーを浴びて出たら、もう次の予約の電話が鳴っていた。
それでも名前は覚えた。次に本命を押さえられなかったとき、指名する候補には入る。逆に言えば、本命を蹴ってまで会いに行く順位ではない。そのくらいの位置だ。
帰りは雨が上がっていた。駅前の立ち食い蕎麦をかき込んで、終電の一本前で帰った。