オイルで負けに行った、というのが正しい
木曜の夜、21時前。夕方に雨が降ったせいで歌舞伎町の路地はまだ蒸していて、コンビニで水を買って部屋に入ってからも汗が引かなかった。八月の東京は夜でも暑い。この季節にわざわざオイルを塗られに行くというのは、我ながらどうかしている。
今回指名したのは、大人のエッチなエステ 大久保・新宿店のはつね。派遣型の回春エステで、部屋にセラピストが来てくれる形式だ。
選んだ理由ははっきりしていた。ガツガツ責め立てられるより、丁寧に扱われているうちにいつの間にか動けなくなっている方が、自分には合っている。今回のテーマは「抵抗する隙をくれない手つき」。それだけを条件にして、あとは店の受付に任せた。
その受付が、想像より数段丁寧だった。押さえていたはずのホテルが満室で焦ったのだけれど、電話口で入りやすい所を先に教えてくれた。「そちらでしたら、たぶんすぐ入れます」と言われて、実際すぐ入れた。この時点で店への警戒心が半分落ちている。落としにかかられている、とも言う。
はつねの手は、最初から主導権を握っていた
ドアを開けてからの三十秒
入ってきたのは、思ったより小柄な子だった。150cmあるかないかで、線が細い。24歳と聞いていたけれど、笑うともう少し幼く見える。
ただ、目だけは笑っていなかった。正確に言うと、笑ってはいるのに、こちらの様子を上から下まで一度で読み終えている感じがした。ああ、これは観察されている側だな、と思った瞬間に、その日の立ち位置が決まってしまった。
「今日、どこが一番つらいですか」と聞かれて、肩、と答えた。実際は腰だったのに、なぜか肩と言った。もう主導権はこちらにない。
うつ伏せのまま、動けなくなる
マッサージは本格的だった。前職の話をされて納得したのだけれど、指の入り方が明らかに素人のそれではない。張っている場所を探り当てて、ぐっと体重を乗せてくる。最初の数分は正直、力加減が強すぎて痛かった。
「あ、ここ固いですね」と言われて、ぐりっとやられる。声が出た。まじで痛い。痛みの向こう側に抜けると急に楽になるのが分かるので、こちらも文句を言えない。
途中からオイルが増えて、手のひらの動きがぬるりと変わった。背中から脇腹、腰まで、同じ速度で撫でられ続ける。この頃にはもう、うつ伏せのまま身を委ねるしかなくなっていた。眠りかけたところで、耳のすぐ横で「まだ寝ないでくださいね」と囁かれる。眠気は一瞬で飛ぶ。
点数を付けるならこうなる。
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★☆☆
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★☆☆
性格 ★★★★★
おっぱいのボリュームで押してくるタイプではない。細さと、密着したときの体温の高さで勝負してくる子だった。感度は本人が背中と言っていて、実際そこを触ると反応が変わる。ただ、大げさに声を上げるサービスは一切しない。そこが逆に信用できる。
うつ伏せから仰向けに変わったところまで
「じゃあ、そろそろ上を向いてください」
この一言で空気が変わる。ここまでは施術だった。ここからは施術の顔をした別のものになる。
仰向けになったあと、彼女はすぐには触らなかった。オイルを手に取り直して、太ももの外側から内側へ、内側から膝へ、と何往復もする。目的地の手前で必ず折り返す。こちらの呼吸が変わったのを確認してから、また同じ距離を戻っていく。焦らされているのが分かっていても、こっちからは何も言えない。
支配される快感というのは、たぶんこの、待たされている時間そのものにある。
痛気持ちいいの手前で、いったん止められる
意外だったのは、そこから先が想像していた展開と違ったことだ。ハンドだけで終わる時間だと思って予約したのに、途中で「え、そこまでするの」と口に出してしまう場面が一度あった。詳しく書きたいのはやまやまだけれど、無料で読める範囲はここまでにしておく。
不満を挙げるとしたら店ではなく部屋の方で、エアコンを効かせすぎたせいでオイルが冷えるのが早かった。次はもう少し温度を上げておく。あとタオルが薄手で、終わったあとの拭き取りに苦労した。これは完全にこちらの準備不足だ。
帰り道、終電まで一時間近く余っていたので職安通りをぶらぶら歩きながら、なぜ肩がつらいと嘘をついたんだろうと考えていた。たぶん、腰と言ったら腰から触られると分かっていて、それを後回しにしたかったのだと思う。そういう小細工まで見抜かれていた気がする。途中で食べて帰ったラーメンがやたら旨かった。
100分の後半に何が起きたのか、料金と予約のコツ、そして次に指名するなら何時の枠を取るのかは、この先の限定エリアに置いておく。