土曜の夕方、千束四丁目まで
八月の土曜、夕方の四時過ぎ。日中の熱がアスファルトに残っていて、日比谷線の三ノ輪から歩き出して五分で背中が湿った。
途中のコンビニで麦茶を買って、信号待ちのあいだに半分飲んだ。この時期の吉原は、日が傾いても風がぬるいままなんだよな。
向かったのは千束四丁目のコートダジュール。ここを選んだ理由ははっきりしていて、三十代の在籍がちゃんと厚いからだ。二十代を並べるだけの店なら吉原にいくらでもあるが、若い子にはない魅力を正面から売りにしている店は、探すと案外少ない。
仕事が立て込んでいて、遊びに出るのは三週間ぶりだった。
予約は前日の夜にネットから入れてある。電話で名前を名乗るのがどうにも苦手で、これは完全にこちらの都合。指名したのは三十三歳の人で、プロフィールに得意なことが三つ並べてあった。あわあわ、ぬるぬる、フェザー。決め手は三つ目。フェザーを自分から挙げる人は、だいたい時間の配分がうまい。
この人の色気がどこから来るのか、ずっと考えていた
顔と、声と、間の取り方
部屋で向かい合って最初に思ったのは、写真より輪郭がやわらかいということ。目が大きくて、笑うと少しだけ細くなる。眉から目元にかけての作りが上品で、派手さで押してくるタイプではない。
声が低めで、聞き取りやすい。喋るテンポも速すぎない。
大人の色気ってのは、結局は顔のパーツの話じゃないと思っている。こっちが黙り込んだ三秒を、慌てて埋めにこないで待てるかどうか。この人は待てる人だった。
旅行の話になって、四十六都道府県まで行ったと聞いたときは、思わず「え、残りの一つはどこなんですか」と聞いてしまった。答えは伏せておくが、聞いた瞬間に笑った。ゲームの話も出て、PS5で洋ゲーばかりやっているらしく、こっちが名前も知らないタイトルが二つ続けて出てきたところで素直に降参した。
天然Gと、手入れの行き届いた肌
Gカップ。寄せて上げた形ではなく、そのままの流れ方をする。仰向けになったときに横へ落ちる方向が自然で、これは手を置いた瞬間に分かる。
身長は百五十九センチと聞いていて、並ぶとちょうどそのくらい。細い人ではないが、余分がついているわけでもない。腰から尻へ落ちる線がきれいで、本人がここを推しているのは伊達じゃなかった。
肌は、しっとりというより、もちっとしている。ぺたっと吸いつく感じが最後まで続いた。三十代でこの状態を保っているのは、単純に手入れの結果でしかない。
あわあわ、ぬるぬる、フェザーの三段構え
技術の話をすると、この人は「強くする」ことをほとんどしない。
泡を立てるときも、手のひらを当てる面積を変えるだけで圧を調整してくる。ぐっと押し込むのではなく、面で当てて、ぬるっと離す。この離し方が上手い人は本当に少ない。泡の温度も体温より少しだけ高くしてあって、寒くならない。
フェザーは羽で撫でていくやつなんだが、正直こっちは途中でくすぐったさのほうが勝ってしまって、一度「ちょっと待ってください」と声が出た。笑われた。これは自分の受け止め方の問題で、技術のせいではない。ただ、くすぐったがりの自覚がある人は最初に伝えておいたほうがいい。
若い相手だと、ここで焦って次の手順に飛ぶ。年齢を重ねた女性ならではの間合いで、羽をそっと置いて、手のひらに切り替えてきた。判断が早かった。
六項目、点けるとこうなる
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★★
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
星が並びすぎている自覚はある。ただ、下げる理由が見つからなかった。
百二十分の使い方が上手すぎた
入って最初の十分は、ほとんど雑談で終わった。急かされないし、こっちも急がない。上着を脱ぐタイミングまで相手が作ってくれるので、こういうところで年季が出る。
洗い場では、髪から順に丁寧にやってくれた。頭を洗われている時間がやたらと気持ちよく、ここで一回、意識が飛びかけた。ざぶんと湯をかけられて戻ってきたときには、もう十五分近く経っていたと思う。
そこから泡、マット、と続く。マットの上では体重の預け方が絶妙で、重さを全部乗せてこない。密着しているのに苦しくない。この加減は経験の差だと思う。包容力が違うというのは、たぶんこういうところを指している。
ベッドに移ってからは、こっちが何も言わなくても速度が合ってきた。目を見て、少し止めて、また動かす。焦らしているというより、こっちの呼吸を見ている。
正直やばかった。
一つだけ注文をつけるなら、後半のフェザーはもう少し短くてよかった。前半で気持ちよさのピークが来ているので、そこに戻ってくるまでの時間が少し長く感じた。もっとも、これは自分が羽に弱いだけの話でもある。
不満らしい不満は部屋のほうにあって、エアコンが効きすぎていた。マットから上がった直後だけ、肩がすっと冷える。シャワーの水圧も強くはない。古い建物なので仕方ない部分ではあるが、寒がりの人は一声かけておくといい。
終わり際、「またすぐ来ます」と言ったら、真顔で「待ってますね」と返ってきた。営業の言い方ではなかった。
帰りは土手通りまで歩いて、コンビニでアイスを買った。八月の夜にしては風が動いていて、食べ終わる頃にはちょうど汗が引いていた。三十代の人と過ごしたあとは、だいたいこういう静かな帰り道になる。
店の名前はここまでに出したとおり。この人の名前と、指名を通すためのコツ、それと百二十分をどう割り振るかは、限定エリアのほうに書いた。大人の女性の良さが分かる同志にだけ届けばいい。