日曜の15時。べつに予定があったわけじゃない。ただ、なんとなく体が重くて、頭の中がぼんやり霞がかっていて、このまま家にいたら腐ると思った。金曜の飲み会の残り香みたいな倦怠感。風呂に入って髪を乾かして、気づいたらスマホでシャトーペトラのサイトを開いていた。
吉原の大衆店。正直、値段で選んだところもある。でも写メ日記を見て手が止まった。新人の菜々子。胸の谷間が写真からはみ出しそうで、でもどこか控えめな表情をしている。この矛盾が気になった。豊満な体を持ちながら、どこか遠慮がちに微笑む女性。支配される側の匂いがした。
菜々子の支配力
対面
受付を済ませて15分ほど。待合室のテレビで競馬中継が流れていた。馬のほうが気になってしまう自分に呆れる。名前を呼ばれて目を上げると、写真より明らかに整った顔立ちの女性が立っていた。色白。もち肌。肌の質感が照明の下で光っている。30半ばだろうか。20代にはない落ち着きと、それでいてどこか初々しい緊張感が同居していた。
「菜々子です。よろしくお願いします。まだ入店したばかりなんです」
声が少し震えていた。この瞬間が堪らない。相手が緊張しているのがわかるとき、こちらの中で何かが静かに目を覚ます。自分がリードする必要がある、という認識が、不思議と快感に変わる。冷えた手を繋いで階段を上がった。手のひらが少しひんやりしていて、指が細かった。
深淵の入口
部屋に入って、脱衣のアシスト。慣れた手つきだった。業界経験はあるらしい。でも、この店では新人。新しい場所での緊張と、体に染みついた技術のギャップが妙に色っぽかった。タオル一枚になったところで、彼女のほうからキスをしてきた。
柔らかい唇。押し付けるんじゃなくて、触れるような。何度か交わすうちに、こちらの呼吸が少しずつ乱れていくのを自覚する。彼女の指が胸元に触れて、ゆっくりとなで回し始める。焦らすように、確かめるように。思わず声が漏れた。まずい、と思ったときにはもう遅くて、彼女のペースに完全に乗せられていた。
プレイのさわり
彼女の手が下へ降りていく。サワサワと、触れるか触れないかの境界線。タオルを剥がされた瞬間の空気の冷たさ。そしてすぐに、温かい口腔に包み込まれる。
……ダメだ。書いていて思い出すだけで呼吸が浅くなる。
包み込むようなフェラ。吸引力じゃない。包容力。舌の動きが一定のリズムを刻んでいて、そこに身を任せると意識が溶けていく感覚。上手いとか下手とかじゃなくて、「ああ、この人に委ねたい」と思わせる何かがあった。
そしてその後の展開が、衝撃だった。まだ序盤だと思っていたのに、彼女のほうから大胆に動いて── この先の記録は限定公開にて。同じ快楽を求める者だけに。
解放の後で
正直に言う。帰りのタクシーで、窓の外の景色がいつもと違って見えた。夕日が妙にきれいだった。体の奥に残る余韻が、信号で止まるたびにじわっと蘇る。たまんねえ……と小さく呟いたら、運転手がバックミラー越しに怪訝な顔をしていた。
技術面で言えば、マットはまだ不慣れなところがあった。ぎこちない動きもあった。でも、そういう「完璧じゃないところ」が逆に人間味があって、一生懸命さが伝わってきて、胸の奥があったかくなった。手と口のテクは間違いなく一級品。そこに惜しみない包容力が加わると、抗えない。
菜々子。この名前は、しばらく頭から離れないだろう。