土曜の夕方、仕事帰りの電車でうたた寝していたら鶯谷で目が覚めた。降りる予定などなかったのに、ホームの空気がやけに生ぬるくて、そのまま改札を出てしまった。これが今回の始まりである。
先に断っておく。当方はぽっちゃり専である。むちむち度の高い子しか鑑定してこなかった十年だった。それが今回は T155・Dカップという、どう見ても畑違いの細い子に手を出している。
畑違いの子に手を出した経緯
きっかけは、同好の知り合いから「Chloe鶯谷/上野店 S級素人清楚系デリヘルに、業界未経験を名乗る21歳が入った」と聞いたことなのだ。その知り合いは「顔の好みは割れると思う」とも言っていて、そこで一度は興味が引いた。細身で、しかも評価が割れる。当方の守備範囲から二重に外れている。
それでも予定を変えたのは、彼が最後に付け足した一言のせいだった。「肌のもちもち指数だけは、お前の基準でも高いと思う」。
もちもち指数。当方が十年かけて育てた指標を、細い子に対して使われたのは初めてである。まじでそんな個体が存在するのか。それを確かめに行った、というのが経緯のすべてなのだ。
鶯谷は上野から一駅で、北口から徒歩数分でホテル街に入る。土曜でも道幅のわりに人はまばらで、街の見栄えは正直よくない。看板の色が褪せた建物と、真新しい外観の建物が交互に並んでいて、統一感というものが完全に放棄されている。ただ、この店は鶯谷だけでなく上野側からも呼べるので、遠い場所まで移動する面倒がないのは助かった。土地勘のない人間でも、駅から歩ける範囲で完結するのは大きい。
案内はシンプルだった。写真指名が基本で、当日に到着の連絡が入り、部屋番号を伝えるとほどなく本人が来る。人気の子には特別指名料が四千円上乗せされる仕組みで、彼女はその対象だった。この四千円があとで効いてくるのだが、その話は限定エリアに置く。
結果から言えば、彼の言い分は正しかった。
肉の付き方を確かめる
部屋は、はっきり言って狭い。ベッドの脇を横向きで通るような造りで、鑑定の姿勢を取るのに一苦労した。それでも彼女が入ってきた瞬間、部屋の狭さはどうでもよくなった。
鎖骨から胸元まで
写真では細さばかりが目についたが、実物は違った。鎖骨のくぼみが浅く、肩から二の腕にかけて骨の角が出ていない。骨でできた細さではなく、薄く均一に脂がのった細さなのである。当方の分類でいう「痩せ型のもちもち系」、ほぼ絶滅した希少種だ。
Dカップという申告は盛っていない。手のひらから溢れるほどではないが、ぷるぷるという語が自然に出てくる程度には柔らかかった。外したあとの落ち方がゆるやかで、形が崩れない。触った瞬間、思わず「あ、これは当たりだ」と声が出た。
これは想定外だった。
腰から下の話
ウエストは55と申告されている。実際に手を回すと指がかなり余る。ここは当方の好みからは外れる。腹に指が沈み込む、あの多幸感がないのだ。
ただし太ももは別だった。細いのに、内側だけがやわらかい。膝上十センチのあたりを押すと、ふにゃりと沈んで、時間をかけて戻ってくる。押した跡が数秒残るあの感じは、本来ならもう二回りは体重のある個体でしか観測できないものだ。むちむちと呼ぶには量が足りない。それでも、もちもち指数でいえば七十点は出る。細身の個体としては驚異的な数字である。
肌の温度が高いのも印象に残った。触っているこちらの指のほうが冷たくて、途中で「手、冷たくないですか」と気を遣われてしまう始末。情けない話だ。
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆(細いが骨っぽくない)
おっぱい ★★★★☆(形の崩れなし)
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★★
性格 ★★★★★
シャワーからベッドまでの入口
距離の詰め方が普通ではなかった。荷物を置くより先にキスが来る。挨拶とキスの順番が逆なのだ。福岡から出てきたばかりだそうで、語尾に方言が混じるのも、この距離感に妙な説得力を与えていた。
シャワーも一緒に入ったのだが、洗っている時間より、くっついて笑っている時間のほうが長い。泡を流してバスタオルを巻く、という工程が丸ごと省略され、そのままベッドへ移っていた。境目がなかった、と言ったほうが正確である。
ひとつだけ書いておくと、こちらを撫でるときの指の力加減はやや強めで、そこは惜しかった。未経験を名乗るだけのことはある。もっとも、それを補って余りある反応が返ってくるので、途中からどうでもよくなった。
ここから先の記録は、限定エリアに置いた。
四千円の話も、そこである。
同志諸君にどう薦めるか
結論から言えば、ぽっちゃりを求めて行くと確実に外す。腹も尻も、当方の基準では量が足りない。そこは期待しないほうがいい。
ただ、柔らかさという一点だけで嗜好を組み立てている同志がいるなら、この個体は一度見ておく価値がある。細さと柔らかさが両立している例を、当方はほとんど知らないのだ。
帰りに駅前でラーメンを食べながら、十年の分類表を書き直すべきかと考えていた。まだ答えは出ていない。