畑違いの女に手を出した金曜の夜
金曜の仕事帰り、横浜線に揺られながら、ずっと同じことを自問していた。ぽっちゃり以外に金を払うのか、と。ここ数年、指名の基準は一つしかなかった。抱きついたときに沈むかどうか、それだけである。
その基準が崩れたのは、神奈川県の新横浜にあるデリヘル、性の極み技の伝道師ver.匠 新横浜のパネルを眺めていたときだった。あいぬ、21歳。T159にG。数字だけ見れば完全に守備範囲の外なのだ。ウエストは56しかない。普段なら二秒でページを閉じている。
なのに、閉じられなかった。
写真の胸の落ち方が、細い子のそれではなかったからだ。骨に張り付いた作り物のふくらみは、腕を寄せても形が変わらない。この子は変わっていた。ソファに座った一枚で、二の腕に押されて内側にたわんでいる。やばい…これは…と、画面の前で声が出た。脂肪の量と質が、スレンダー担当のそれではない。細い子に見えて、実は柔らかい側の個体なのではないか。そう疑い始めた時点で、もう指名は決まっていた。
店は新横浜駅から歩ける距離に受付を構える派遣型で、部屋はこちら持ちになる。駅の北側はホテルが固まっているので、着いてから探しても十分間に合う。エリア自体は出張族とアリーナ帰りの客が入り混じる、妙に健全な顔をした街である。案内までの流れは事務的なほど早かった。到着を伝えると部屋番号を控えられ、あとは待つだけ。時間になる五分前に、廊下を歩く足音が近づいてきた。
指名はパネルを見て選ぶ形が基本で、コースは分単位。90分の枠が主力になっている。ぶっちゃけ安い店ではない。ただ、ここは「即プレイ」を看板に掲げていて、部屋に入ってからの前置きが徹底的に削られている。そういう構造の店なのだと理解して行くべきなのだ。前置きを楽しみたい人間には向かない。
そういえば、待っている間に新横浜ラーメン博物館の閉館時間を調べていた。終わってから寄る気でいたのだ。結論から言えば、寄れなかった。
Gカップと肉付きの検分
胸まわりの触感
ドアを開けて最初に思ったのは、パネルが仕事をしていない、ということだった。実物のほうが顔が小さく、目が丸い。挨拶もそこそこに「シャワー、一緒に入る?」と聞かれ、頷いたら手を引かれた。
さて、本題である。
胸は、想定していた「細い子が盛った胸」ではまったくなかった。手のひらを下から当てると、指の間から逃げていく。上から押すと沈み、離してから元の形に戻るまでにワンテンポ遅れる。この遅れが大事なのだ。密度の低い脂肪ほど戻りが遅い。もちもち指数で言うなら、これまで検分してきたぽっちゃり勢の上位に食い込む水準だった。細身の胸でこの数値が出るのは、正直に言って初めてである。指を軽く食い込ませたまま手首を回すと、皮膚ごとついてきて、遅れて内側の脂肪が追いかけてくる。二層に分かれて動く感じ、と言えば伝わるだろうか。豊胸を疑って付け根を探ってみたが、境目らしい硬さはどこにも無かった。天然でこの質量をこの身体に載せている事実のほうが、よほど信じがたいのだ。
正面から抱くと、胸が自分の胸板でつぶれて横に流れる。この流れ方をする細身は少ない。北海道から出てきたばかりだと聞いて、勝手に納得した。
乳首は小さめで、触るとすぐ立った。ぺろ、と舐めると肩が跳ねる。つくった反応ではない側だと思う。
腰から下の質量
ここからは辛口になる。
ウエストは公称どおり細い。ここは正直、物足りない。腹に指を沈めたい人間としては、つまめる肉が一枚しかないのは寂しかった。
ところが下に行くと話が変わる。太ももは付け根が太く、膝に向かって急に細くなる。座らせると座面で潰れて幅が出る。むちむち度で採点するなら、太ももだけは文句なしの合格なのだ。尻も同じで、立たせて後ろから見るとスラッとして見えるのに、掴むと厚みがある。表面が柔らかく、指が第一関節まで沈む。硬い尻ではない。
要するに、脂肪の付き方が極端に偏っている個体である。腹と背中は削ぎ落とされ、胸と尻と太ももにだけ残っている。ぽちゃ好きの需要を、局所的にだけ満たしてくるわけだ。
ホテルの部屋が狭かったせいで、明るいところで全身を並べて見られなかったのは心残りだった。
ここで採点を置いておく。
ルックス ★★★★☆
スタイル ★★★☆☆
おっぱい ★★★★★
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
ぽちゃ好きにこの子を勧めるか
本題はここからだった。
ベッドに移ってからは、こちらが動く隙がなかった。看板どおり、間を置かずに始まる。順番も何も無い。押し倒すというより、上に乗られて服の残りを剥がされた感じである。
口の使い方は丁寧だった。一度だけ歯が当たったが、すぐに角度を変えてきたので、分かってやっている側だと思う。トークも達者で、行為の合間に実家の犬の話を延々とされた。時間が飛ぶ。
ここから先、どこまでどうなったのかは限定エリアに書く。この日どういう流れになったのか、こちらが何も言っていないのに向こうから何を提案されたのか。その辺りは無料で置いておく話ではないのだ。
判定を出す。同志諸君、この子はぽっちゃりではない。腹の肉を求めて行くと確実に外す。ただ、胸と尻と太ももの三点だけで戦える個体が存在することを、この日初めて認めさせられた。局地戦なら勝てる子である。
帰りの電車で、ラーメンを食い損ねたことをようやく思い出した。