歌舞伎町一丁目、KADOEBIの階段を上がるまで
水曜の夜、仕事を上がってそのまま新宿区の歌舞伎町一丁目へ歩いた。新大久保のほうから職安通り沿いに来たんだが、八月の夜は日が落ちてもまだ暑い。汗が引かないまま入るのは失礼だろうと思って、コンビニで冷たい茶を買い、店の手前で飲み干してから向かった。タクシーを使うほどの距離でもない。
the SPA KADOEBI は、その通りから一本入ったビルの中にある。
受付が丁寧だった。この手の店は流れ作業になりがちで、こっちが黙っていると何も説明されないまま部屋に放り込まれることもある。ここは逆で、分からないことを聞けば最後まで付き合ってくれる。待合に通されたあとに冷たいお茶が出てきて、「外、暑かったでしょう」と声をかけられた。その一言で肩の力が抜けたのは事実だ。
指名は写真を見て決める形が基本で、あとは出勤表と自分の休みをどう噛み合わせるかという話になる。総額24,000円からという設定で、この場所のソープとしては入口が低いほうだと思う。名前を呼ばれて階段を上がり、部屋の前でスタッフが一礼して下がる。案内までの流れはそれだけだ。
待合は広くない。というより狭い。ただ、待たされた時間が短かったので気にならなかった。
田中さんという人を、三つの角度から見た
静かに効いてくる色香
部屋で向き合った第一印象は、写真で見たときよりずっと静かだった。黒髪のショートに、笑うと目が細くなる顔立ち。大人の色気ってのは、脱いだ量で決まるものじゃなくて、こういう視線の外し方に出るんだよな。そして、どうやっても隠れない存在感の大きい胸。座り直したこっちを見て、少しだけ得意そうな顔をされた。あれは完全に分かってやっている。
着ていたのは白い薄手のトップスで、生地が仕事をしていない。何を着せても最終的に胸の話になってしまう体つきで、本人もそこは諦めているらしかった。ただ、こっちが見ていることに気づいても隠さないし、露骨に強調もしない。この扱い方が一番いやらしいと思う。
指先と、間の取り方
焦らしてくる人だった。こっちが急ごうとすると半歩引いて、引いたと思ったら自分から寄ってくる。キスをしようと顔を寄せたら、すっと背けられて、上目でいたずらっぽく笑われた。追いかけると、また逃げる。この往復だけで随分持っていかれた気がする。ただ、途中で一度だけ力加減が強くて声が出た。そこはちょっと惜しい。
面白かったのは、逃げたあとに必ず一度こっちの顔を見にくることだ。怒っていないか確認しているというより、どこまでやっていいかを測っている目だった。「今の、ずるいでしょ」と言ったら、声を出して笑われた。
懐の深さと、ふざけ方の絶妙さ
会話がうまい。こっちが緊張しているのを早い段階で見抜かれて、出身の鳥取の話と、お酒の話で場を温められた。お酒は飲むほうらしい。全国を飛び回って出稼ぎで回っているそうで、次にいつこの街にいるかは本人にも読めないと笑っていた。抱えているものが多い人ほど、目の前の一時間の使い方がうまい。包容力が違うというのは、こういうことなんだと思う。
そういえば、来る途中の電車で今日は無難に終わるだろうと思っていた。歌舞伎町でその読みが外れたのは久しぶりだ。
まじで、この日に予定を寄せてよかった。
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★★
アソコ ★★★☆☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
部屋に入ってからの十分と、その先
ここから先はさわりだけにしておく。
扉が閉まって数分のうちに、主導権はこっちの手から完全に離れていた。段取りを説明されるでもなく、間が空くでもなく、気づいたら向こうのペースで話が進んでいる。こういう運び方をされると、年上の女性を指名し続けてきた人間としては素直に降参するしかない。落ち着きの質が違うんだよな。
触られている時間より、触られる前の数十秒のほうが長く感じた。これを狙ってやれる人はそう多くない。
帰り道、職安通りのラーメン屋で一杯食べながら、そういえば時計を一度も見なかったなと気づいた。中身の話は限定エリアに置いておく。出勤が読めない人なので、指名を通すときにどこを見ておくべきかも、そっちにまとめた。
出勤が読めない人なので、次に会えるのがいつになるかは分からない。それでも、待つ価値のある相手だという判断は変わらなかった。
若い子の勢いでは、あの間は作れない。