半年ぶりの枠が取れた土曜
仕事を早めに切り上げて、19時過ぎの電車に飛び乗った。歌舞伎町に着くころには小雨が降っていて、傘を持っていない自分は駅からコンビニの軒先まで小走りだった。徒歩で十分もかからない距離なのに、髪が湿るくらいには降られた。
るなの枠を取るのは、これで三度目になる。出勤が短時間で、しかも数えるほどしか入らない。前回会えたのは寒い時期で、そこから半年、取れそうで取れない日が続いた。土曜の夜に空きが出ているのを見つけたときは、まじで声が出た。
指名は裏切らない。ここ数年でそう思えた子は、片手で足りる。
初めて会ったのは去年で、そのときは正直、可愛い子だな以上の感想がなかった。二度目で話が噛み合うようになって、そこから急に予約が取れなくなった。ランキングに名前が出るようになったのもその頃だったと思う。人気が出てから通いづらくなるのは毎度のことで、こっちが見つけるのが遅かっただけの話でもある。
ただ今回は40分しか押さえられなかった。前回は60分で入れたけれど、今回は選べる状況じゃない。争奪戦に勝てただけで御の字だった。仕事帰りのまま向かったので、鞄が重かったのだけが余計だった。
B1へ降りる階段と、鏡だらけの部屋
上がってから通されるまで
アムールクリスタルは歌舞伎町のビルの地下にある。看板は控えめで、初めてだと前を通り過ぎると思う。階段を降りるとすぐ受付があって、スタッフが名前とコースを確認してくれる。待合は椅子が数脚あるだけの狭いスペースで、先客がいると正直窮屈だった。この日は先に来ていた人がひとりいて、五分ほど壁のポスターを眺めていた。
システムはややこしくない。写真から選んで指名するか、その日いる子から任せるかのどちらかで、あとはコースの長さを決めるだけ。写真で選ぶ業態なので、パネルと実物の落差が出やすい店もあるが、この子に関してはその心配をしたことがない。料金は40分で13,000円、室料込みの総額だった。
ドアを開けて立っていた19歳
時間になってドアが開くと、黒髪の子が「こんばんは」と小さく頭を下げた。目が丸くて、写真の印象がそのまま立っている。加工で盛った顔ではない。声も話し方も、ページから受けた雰囲気とずれていなかった。
身長152cmで、抱きしめると顎の下に頭がすっぽり収まる。上着を脱いだ時点で、Fカップという数字が誇張じゃないのは分かった。現役の学生で、前の仕事を聞いたら「学校しか知らないです」と笑っていた。19歳の言うことは軽いのに、こちらの話はちゃんと拾って返してくれる。
採点はこうなった。
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★★
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
手を引かれて分かったこと
並んで少し話してから、シャワーに向かった。手を引くとき、指を絡めるんじゃなく、こっちの手をきゅっと包むように持ってくれる。前回はもう少し遠慮があったけれど、今回は自分から手を伸ばしてきた。この距離の詰め方が、回を重ねた子との違いだと思う。
肌はぷるぷるで、湯気の中の匂いが甘い。
正直、この時点で満足していた。
洗ってもらっている間もずっと喋っていて、こっちが黙ると顔を覗き込んでくる。前回はここで少し事務的な流れがあったけれど、今回はその感じが消えていた。手が触れる順番に迷いがない。
シャワーを終えたあと、次に使う人が気持ちよく入れるようにと言って、床にたまった水をかっぱいでいた。二十歳前の子がそれを当たり前の顔でやるのを見て、こっちが背筋を伸ばした。部屋に戻ると、天井とベッドの脇に鏡が入っているのが目に入る。初めてのときは落ち着かなかったが、今はこの造りが嫌いじゃない。部屋そのものはワンルームを切り取ったような広さで、豪華さはまったくない。むしろ生活感の残る狭さのほうが、二十歳前の子の部屋に上がり込んでいるような妙な緊張を連れてくる。ホテルの整った部屋では出ない種類のそわそわで、これが好きで通っているところは正直ある。
ドアが閉まってから考えたこと
この先、ベッドの上で何があったのかは限定エリアのほうに書いた。40分という短い枠でどこまで進んだのか、鏡が部屋にある意味をこの日ようやく理解したことも、そちらに置いてある。
三度目でようやく本領発揮、というのが正直なところだった。初回と二回目は、こちらが緊張していた分だけ損をしていたのかもしれない。同じ子でも、回数を重ねると出てくる顔が変わる。今回いちばん強く残ったのは体の相性ではなく、こっちの手を握ってきたときの力の強さだった。40分は短かったが、内容は前回の60分より濃かったと思う。
帰りは雨が上がっていて、駅までの道でラーメンの匂いがした。食べずに終電で帰ったが、次に取れたときは60分にすると決めている。そういえば財布に入れっぱなしだった半年前の領収書を、電車の中で捨てた。