8月の池袋、ある衝動について
8月の池袋は、夜になると妙に人恋しくなる。
東口を出てすぐの交差点、ビルの隙間から冷たい風が吹き抜けて、コートの襟を立てながら歩いていた。特別なことがあったわけじゃない。ただ、なんとなく、誰かのそばにいたかった。そういう夜がたまにある。
スマホで予約を入れたのは、店に向かう道の途中だった。プロフィールを見た瞬間、指が止まった。黒髪ロング、ナチュラルメイク、どこか遠慮がちな笑顔。夜職感が完全にゼロ。こんな子が本当にいるのか、という疑念と、もしいたら大変なことになる、という予感が同時に来た。
「完全業界未経験」という一文に、ほんの少し罪悪感を覚えながら、それでも画面をスクロールする手は止まらなかった。
ドアが開いた瞬間のこと
ホテルの部屋で待っていると、控えめなノックの音がした。
開けた瞬間、正直に言って、声が出なかった。
○○ちゃんは、廊下の蛍光灯の下に立っていた。制服姿。黒髪がさらっと肩を流れて、ナチュラルなメイク、白い肌。パネルの写真と寸分も違わない。いや、写真より実物の方が断然いい。こういうことは珍しい。
「あの…お邪魔します」
声が柔らかくて、ちょっと緊張してるのが伝わってきた。部屋に入ってくる仕草も、どこかおずおずしている。慣れてないのが全身から滲み出てる。これは本当に未経験なんだな、と確信した瞬間だった。
近くで見ると、肌の透明感が異常だった。乃木坂系、という表現がプロフィールに書いてあったけど、あれは誇張じゃない。清楚、という言葉がこんなに似合う子、久しぶりに会った気がした。
ふたりの時間——恥ずかしがり屋が、壊れていくまで
最初の数分、○○ちゃんはちょっとぎこちなかった。
会話しながら距離を縮めていくと、だんだん表情が解けてきて、笑顔が増えてくる。その笑顔が、また反則だった。目が細くなって、えくぼが出る。チアダンス部だったと聞いて、なるほど、と思った。姿勢がいいし、体幹がしっかりしてる。
「柔軟が趣味」と言っていた意味は、後で思い知ることになる。
コスプレの衣装チェンジを挟んで、雰囲気がぐっと変わった。最初の制服姿もよかったけど、衣装が変わると○○ちゃん自身のスイッチも入るらしい。さっきまでの恥ずかしがり屋はどこへやら、少しだけ甘えた表情になってくる。
添い寝から始まった。
体を寄せてくる温度が、ちゃんと人間の温度だった。オイルとかじゃない、素の体温。細いのに、密着するとちゃんと柔らかい。耳元で「緊張しますね…」と小さく言うから、思わず笑ってしまった。緊張してるのはこっちも同じだよ、と正直に返したら、くすっと笑ってくれた。その瞬間に、なんか変な緊張がほどけた。
キスは最初、遠慮がちだった。唇が触れるか触れないかくらいの距離を行き来して、でも徐々に深くなっていく。こういうエスカレーションが、たまらなく好きだ。
乳首を舐めると、○○ちゃんの体がびくっと震えた。
「ん…っ」
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フィニッシュした後、しばらく無言でいたら、○○ちゃんが「…大丈夫ですか?」と聞いてきた。どっちが大丈夫か聞くべきかの問題だよ、と思いながら、「完全にやられた」と答えたら、また例のえくぼが出た。
軽く不満を言うとすれば、最初のぎこちなさで少し時間を使ってしまって、後半が駆け足になったこと。もう30分あったら、どうなっていたか分からない。次は90分で取ろうと、退室しながら本気で考えてた。
ドアが閉まった後
「また来てください」と言われた時、それが社交辞令じゃないと感じた。
エレベーターを降りて、冷たい夜風の中に出た。さっきまでの人恋しさが、きれいになくなっていた。
代わりに残ったのは、もう一度会いたい、という割と切実な気持ちだけだった。
リピ確定、という言葉の意味を、今更ながら実感している。
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