電車で鶯谷デリヘルで出会った21歳 恋人みたいだった五月の夜
夜の始まり
五月の夜だった。
鶯谷の改札を出ると、生ぬるい風が首筋を撫でた。湿気を含んだ空気に、どこかの店から流れてくるカレーの匂いが混じっている。駅前のコンビニで水を買った。レジの店員が眠そうな顔をしていた。
この街には何度も来ている。来るたびに少しだけ違う顔を見せてくれるのが、嫌いじゃない。
数日前のことだった。ある店のHPを何気なく眺めていたら、ひとりの子のプロフィールが目に留まった。気になって調べてみると、過去のレビューが2つ見つかった。どちらも不自然なくらい高い評価がついていた。こういう子は予約で埋まっていることが多い。ダメ元で電話してみたら、今夜ちょうど空きがあるという。
こういう偶然が、この遊びの一番贅沢な部分だと思っている。
微妙に古いホテルまでの道を歩く。夜の10時を過ぎた鶯谷の駅前は、人通りがまばらだった。チェックインを済ませて部屋で待つ。エアコンの低い音だけが響いている。窓の向こうで、バイクのエンジン音が遠ざかっていった。
控えめなノック。ドアを開ける。
正直に言えば、息を飲んだ。
21歳。写真で見ていたよりも、ずっと整った顔立ちだった。「かわいい」と「きれい」が同居している。キャバクラにいても指名が途切れない子だろうなと直感した。
「今日は楽しく、気持ちよく遊んでいってほしいな」
ドアを閉めながら、彼女はそう言った。声が柔らかい。この一言で、今夜はいい夜になると確信した。
身だしなみにも隙がなかった。清潔感がありつつ、ちゃんと可愛く見える服を選んでいる。普段からファッションが好きな子なんだろう。ほのかにシャンプーみたいな匂いがした。甘すぎない、清潔な香り。
ふたりの時間
ベッドの端に並んで座った。少しだけ世間話をする。でも、彼女の指先がこちらの手に触れた時点で、言葉はもう必要なくなっていた。
服を脱がせて驚いた。スレンダーな体なのに、胸もお尻もしっかりとした柔らかさがある。服の上からじゃわからなかった女性らしいラインが、触れて初めて伝わってくる。肌がきれいだった。すべすべというのとは少し違う。触れると吸い付くような質感。
最初から恋人みたいだった。
両手で頬に触れてくる。視線が近い。そのまま唇が重なった。彼女の舌がゆっくりと、でも確実にこちらの体温を上げていく。両手両足を絡めるような密着感。キスだけで時間が溶けていく感覚だった。唇を離した時、彼女が小さく息を吐いた。その吐息が、やけに色っぽかった。
キスの合間に、彼女の指が髪を撫でてきた。爪の先がうなじをなぞるたびに、ぞわぞわする感覚が背中を這い上がってくる。何気ない触れ方に、この子の丁寧さが滲んでいた。
しばらくして、彼女がそっとこちらの上に乗ってきた。
「ここ、好き?」
小さな声で聞きながら、首筋から胸元へと唇を這わせる。丁寧で、でもどこか切実な愛撫。焦らすわけでもなく、急ぐわけでもなく、ちょうどいい温度で体の各所に触れてくれる。指先のひとつひとつが柔らかくて、それだけでこちらの体が勝手に反応していた。耳元で彼女の息遣いが聞こえる。くすぐったいのに、離れたくない。
そして口に含む。
ぞくっと背中を何かが走った。喉の奥まで、ゆっくりと受け入れてくれる。深い。ここまで丁寧に、かつ深くしてくれる子にはなかなか出会えない。じゅぷっと小さな音が聞こえるたびに頭がぼんやりしていく。時折、上目遣いでこちらの表情を確認してくるのがずるい。反応を見ながら緩急をつけてくるあたり、ただ技術があるだけじゃなく、相手のことをちゃんと見ている子なんだと思った。
途中、歯がかすかに当たった瞬間があった。ほんの一瞬のこと。でも書いておく。こういう小さなリアルがあるから、残りの時間の完成度がより際立つ。
お返しに、彼女の胸に唇を寄せた。舌先でそっと触れた瞬間、びくっと小さく体が跳ねた。
「んっ……」
体験の断片
甘い声が漏れる。敏感なのだ。乳首を舌で転がすように触れると、彼女の腰がかすかに浮いた。片手を下に伸ばすと、もう十分すぎるほど潤んでいた。指先でそっとなぞっただけで、くたっと力が抜けるみたいに反応してくれる。触れるたびに声がどんどん甘くなっていった。
彼女が目を閉じて、唇を軽く噛んでいた。堪えようとしているのがわかる。でもこちらの指が奥に触れた瞬間、堪えきれずに声が零れた。その声を聞いたら、もうダメだった。早く中に入りたいと本気で思った。
たまんねえな、これは。
本番に入ると、彼女の反応はさらに強くなった。声が大きくなるというよりは、甘く、切なく、体全体で受け止めてくれる感じ。腰が自然と動き出して、こちらのリズムに合わせて波が重なっていく。ぎゅっとしがみついてくる腕の力が、じわじわと強くなっていくのがわかった。
「んん…っ」と、かすれた声が耳元で漏れた。鼓膜をくすぐるようなその声に、思わず腰が深くなる。彼女の内側がきゅっと締まるのを感じた瞬間、頭の中が真っ白になりかけた。こっちが追い詰められている。
正直に言えば、自分がとんでもないテクニシャンになったみたいな気分だった。それくらい彼女が感じてくれたからだ。感じてくれる子とのプレイは、やっぱり別格。やりがいという言い方は変かもしれないけど、確かにそうだった。動くたびに甘い声が部屋に満ちていく。もっとこの時間が続けばいいのにと、本気で思った。
途中、ふと目が合った。潤んだ瞳がこちらをまっすぐ見ていた。その表情がやばかった。うまく言えないけど、この瞬間は忘れないだろうなと思った。
一度、体勢を変えた時にほんの少しだけぎこちなくなった。すぐに元の空気に戻ったし、気になるレベルではない。完璧すぎるより、こういう小さな乱れがあった方がリアルだし、嫌いじゃない。
最後は、ふたりとも汗だくだった。窓の隙間から入ってくる夜風が、火照った肌にひんやりと沁みた。
「気持ちよかった」
彼女がそう言った。その声は、ちゃんと心に届いた。演技じゃないと思えたから。
別れ際
シャワーを浴びて、少しだけ話をした。普段は看護の仕事をしているらしい。「仕事中はこんなじゃないよ、もっと地味」と笑う横顔が妙に記憶に残っている。
帰り道にラーメン屋に寄った。味噌ラーメンを頼んで、湯気の向こうにさっきの時間を思い出していた。我ながら、ちょろいと思う。
他の店でも人気がある子だと聞いていたけど、会ってみてその理由がよくわかった。ルックスだけじゃない。一緒にいるだけで居心地がいいと思わせる何かがこの子にはある。こういう子は、そうそういない。
ホテルを出た後、鶯谷の路地をしばらく歩いた。街灯のオレンジ色が、さっきまでの時間とどこか似ている気がした。
こういう夜に出会えると、この遊びもなかなかやめられない。
五月の夜は、まだ続いていた。
あの深夜の彼女の名前と、彼女に会える場所を記しておく。