広島から下関まで、二時間半かけた理由
俺は普段、流川で完結する男じゃ。歩いて回れる範囲に店が固まっとるけん、わざわざ県外まで出る理由がない。流川は良くも悪くも「そこで足りてしまう」街なんじゃ。
それが崩れたのが八月頭の木曜じゃった。仕事で新山口まで行く用ができて、帰りの新幹線まで半日ぽっかり空いた。地図を見たら下関が思ったより近い。在来線で小一時間、それなら行けるじゃろ、と。
下関の風俗は、正直こっちではあまり話題に上がらん。関門海峡を渡ればすぐ小倉じゃけん、遊ぶ側は自然とそっちに流れる。だから下関側に残っとる店は、地元の客が何度も通って支えとるタイプが多い。この辺の店は派手な看板を出さん代わりに、中身で回しとる印象じゃった。実際、駅前を歩いても風俗街らしい圧はほとんど感じん。
駅を出たら海の匂いがした。真夏の昼で、アスファルトが歪んで見えるくらい暑い。まじで頭がぼーっとする。唐戸市場でふぐの唐揚げを食ってから向かうつもりが、暑さに負けて生ビールを二杯やってしまって、駅前のコンビニで冷たいお茶を買い足しても間に合わんかった。店に着いた時点で少し出来上がっとった。これは反省しとる。
よかろうもん下関本店の受付は、思ったより静かじゃった
雑居ビルの一角で、外から見ても何の店か分からん造り。上の階まで上がると受付がある。扉が開いた瞬間、テレビの音とスタッフさんの「いらっしゃいませ」が同時に来て、拍子抜けするくらい普通の空気じゃった。
待合はソファが二つと、雑誌とお茶だけ。先客がひとり、スマホを見ながら座っとった。会話はない。
この静かさは嫌いじゃない。
指名まわりの決まりごとと、待合の造り
システムは単純で、コースを選んで指名を付けるかどうか決めるだけ。指名を付けると二千円が上乗せになって、二回目以降に同じ子を選ぶと本指名の扱いになる。写真を見て決める形じゃけん、パネルと実物の差が気になる人はここで悩むことになるじゃろう。俺みたいに下調べをせん人間には、むしろ選択肢が少ないほうがありがたい。
この日はフリーで入るつもりじゃった。半日しかない出張のついでで、下調べも何もしとらん。スタッフさんに「今すぐ入れる子で」と頼んだら、少し考えてから一人だけ名前を出してくれた。
「女の子には優しくしてやってくださいね」
送り出されるときにそう言われて、思わず笑った。優しくするに決まっとるじゃろ。
唐戸で遊ぶか、小倉まで戻るか
下関で遊ぶか、関門トンネルを抜けて小倉まで戻るかは毎回迷うところじゃ。小倉のほうが店数は多いし選択肢も広い。ただ、数が多いぶん当たり外れの幅も大きい。
下関は逆で、絶対数が少ない代わりに、残っとる店には残るだけの理由がある。この日みたいに時間が半端なときは、移動を削って下関で完結させたほうが結果的に得じゃった。広島じゃできん判断で、たまに県外に出るのも悪くない。そういえば、こっちに戻ってから同じことを後輩に話したら「なんで下関なんですか」と真顔で聞かれた。説明が面倒じゃったけん、海が近いけんじゃ、とだけ答えといた。
みかという子に、俺の予定を崩された
カーテンが開いて出てきたのは、想像より一回り小さい子じゃった。うわ、ちっちゃい、と声が出そうになった。百五十センチ台の前半で、ショートカットの髪が耳から少しだけ跳ねとる。写真では大人しそうに見えたのに、実物は目がよく動く。
ルックス ★★★★☆
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★☆
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★★
性格 ★★★★★
胸はDで、小柄なぶん数字より大きく見える。肌はもちもちで、腕が触れただけで手が止まる。ただ、この子の一番の武器はそこじゃない。
喋りじゃ。
部屋に向かう数十秒のあいだに、この前スーパーで起きたという話を聞かされて、俺は廊下で声を出して笑っとった。日常のなんでもない出来事を落ちまで持っていくのがうまい。初対面のはずが、三回目くらいの距離感になっとった。抱きしめたくなる小ささと、この愛嬌が同時に来ると防ぎようがない。
部屋に入ってからの十五分
部屋は狭い。ベッドと洗い場でほぼ埋まっとって、荷物を置く場所を探すのに手間取った。ここは正直マイナス点じゃ。もっとも、狭いぶん距離が近いという言い方もできる。
シャワーを浴びる前からこの子は手を止めん。全力全開で来るタイプで、こっちが受け身でおる時間が一分もない。せかせかしとらんのに攻めだけは早い、あまり見ん組み合わせじゃった。
ここから先に何が起きたかは、限定エリアのほうにまとめてある。
下関に行くなら覚えとくこと
昼前が狙い目じゃ。この店は朝から開いとって、昼過ぎから夕方にかけて混む。俺が入ったのは正午前で、待ちはゼロじゃった。
それと、唐戸までは徒歩十分かからん。終わってから市場でふぐ汁を飲んで帰るというルートが組める。お好み焼き食ってから遊ぶのが広島流じゃが、下関ではこの順番のほうが合っとる。
帰りの在来線で、俺はもう次の出張の予定を数えとった。予定を崩されたというのは、そういう意味じゃ。
名前も店もここに書いたとおりじゃけん、隠すもんは何もない。ただ、部屋の中で何が起きたかと、この子を指名するときの段取りだけは限定エリアに置いてある。