夜勤明けの衝動
午前3時半。夜勤が終わって外に出たら、3月なのに風が冷たかった。北千住の駅前はさすがにほとんど人がいない。コンビニの明かりと、居酒屋の看板がぽつぽつ光っているだけ。帰ればいいのに、体が帰宅の方向に向かない。金曜の12時間立ちっぱなしだった脚はだるいし、肩は鉄板みたいに固まっている。でも眠気はない。夜勤明け特有の、妙に覚醒している感じ。この状態で布団に入っても天井を見つめるだけなのは経験上わかっている。だったら。やばい、我慢できん。スマホを取り出して、深夜営業のメンエスを検索した。北千住、この時間帯に開いている店。意外とあるもんだ。料金と口コミを流し読みして、90分14000円の店を予約した。電話口の声は低めの男で、「今からでも大丈夫ですよ」と言われた。深夜だからこそ、この手の店はありがたい。
タクシー使おうか迷ったが、駅から歩いて7分くらいだったか。商店街を抜けた先のマンション。1階に焼き鳥屋が入っていて、とっくに閉まっているのにまだ炭の匂いが残っていた。腹が減っているのを思い出す。そういえば夜勤中はカロリーメイト1本しか食べていない。エレベーターで上がって、指定された部屋のドアを押すと、間接照明のオレンジ色の光がぼんやり広がっていた。受付のおっさんが「お疲れ様です」と。夜勤明けだとバレたわけじゃないだろうが、この時間帯に来る客は大体そうなんだろう。着替えを済ませて個室に通された。6畳くらいの部屋。ベッドは低めで、壁にはよくわからない抽象画。BGMはピアノの曲が小さく流れている。空調の音が少しうるさかったのが気になったが、まあ深夜にこの値段で文句は言えない。
深夜のこの子
ノックの音がして、入ってきたのは20代前半くらいの子だった。髪は黒のセミロング、前髪を横に流している。身長は160あるかないか。体型は普通。痩せてもいないし太ってもいない。第一印象は「地味」だった。正直に言う。化粧が薄くて、夜勤明けのぼんやりした視界にはほとんど印象が残らない。「お待たせしました」と小さい声で言われた。声のトーンが低くて、深夜のこの部屋にはちょうどいい。ハイテンションな子が来たら多分しんどかったと思う。
名前を聞いたけど、まあ今となっては関係ない。退店しているから。シャワーを一緒に浴びることになって、服を脱いだら意外と肌がきれいだった。白くて、腕とか太ももに産毛がうっすら見える感じ。深夜のぼんやりした照明の中だと、それが妙に色っぽく見えた。シャワーのお湯を背中にかけてもらいながら、12時間分の疲れが少しだけ溶けていくのを感じた。あったかい。それだけで来てよかったと思えたのは、疲れていたからだろうか。
ベッドに戻って、うつ伏せで施術が始まった。オイルを背中にたらーっと垂らされる。温かい。手のひらで肩甲骨のあたりをぐっと押し込まれると、凝り固まった筋肉が悲鳴を上げた。痛い。でも気持ちいい。「ここ、すごい固いですね」と言われた。そりゃそうだ、12時間立ちっぱなしだったんだから。指圧の力加減は悪くない。ただ、親指の入り方がちょっと雑なところがあった。肩の付け根あたりで、ぐりっとやられた時に「いたっ」と声が出た。「すみません、強かったですか」と聞かれて、「ちょっとだけ」と答えた。その後は加減してくれたから、まあいい。深夜だからこそ、こういう微調整ができる子はありがたい。混んでる時間帯だと流れ作業になりがちだから。
プレイ
仰向けにされてからが本番だった。鼠径部のあたりをゆっくりなぞられる。指先が太ももの内側をすーっと滑っていく。際まで来ると、ぴたっと止まる。じらすのがうまい。疲れた体に、その焦らしが妙に効く。普段なら「早くしてくれ」と思うところだが、深夜のこの部屋では時間の流れが違う。急ぐ必要がない。
「触っていい?」と聞いたら、小さくうなずいた。手を伸ばして腰のあたりに触れると、ぴくっと体が震えた。反応がいい。感度は高い方だと思う。胸に手を持っていくと、サイズは大きくないけど形がきれいだった。指先で乳首をなぞると、ふっ…と息を漏らした。「あ…そこ、敏感で…」と小さく言われた。声が色っぽいというより、困っている感じ。深夜のテンションだと、その困った感じがたまらなく良い。
オイルでぬるぬるになった手で、下半身をゆっくり触られた。指の動かし方がうまい。先端をくるくると円を描くように。力加減は軽め。じわじわと快感が溜まっていく感じ。ずっと立ちっぱなしだった脚の疲れと、下腹部に溜まる快感が妙に混ざり合って、ふわふわした感覚になった。時々ぐりっと根元を握り込むタイミングがあって、そこで息が止まる。深夜の部屋に、荒くなっていく自分の呼吸だけが聞こえる。「気持ちいい…?」と聞かれた。目が合った。暗い部屋の中で、この子の瞳がぬれて見えた。「うん」としか答えられなかった。
そのまま上に乗ってきた。ゴムなし。するっと入った瞬間、頭の中が真っ白になった。あったかい。それが最初の感覚。12時間の疲労が溜まった体に、その温かさがじわーっと染みる。ゆっくり腰を動かし始めた。深夜の静かな部屋に、ぬちゅ…ぬちゅ…という音だけが響く。外からは救急車のサイレンがかすかに聞こえた。北千住の深夜。こんな時間にこんなことをしている背徳感と、体の奥から湧き上がる快感が混じり合って、妙な幸福感があった。
「んっ…あっ…」と声が漏れ始めた。小さい声だけど、深夜だから余計に響く。腰の動きが速くなった。こっちも腰を合わせて突き上げると、「あっ…だめ…奥…」と顔をしかめた。痛いのか気持ちいいのかわからない表情。髪がばさっと顔にかかって、それを片手でかき上げる仕草が、なんか色っぽかった。体勢を変えて後ろから入ると、くっ…と声を詰まらせた。背中の汗がオイルと混じってぬるぬるしている。深夜の部屋に二人分の体温がこもって、空気がぬるくなっていた。
奥まで入れると、ぎゅっと締まった。「あっ…もう…」と途切れ途切れに言われた。こっちも限界が近かった。夜勤明けの疲れた体は持久力がない。最後はそのまま中に出した。じわっと脱力感が来て、そのまま倒れ込みそうになった。深呼吸を2回。天井のシミが目に入った。汗が冷えていく感覚。隣で「ふぅ…」と息を整えている気配がした。悪くない。疲れた体に、染みた。
ただ一つ。途中でこの子が体勢を変える時に、肘がみぞおちに入った。軽くだけど。「あ、ごめんなさい」と慌てていたが、深夜の疲れた体にはちょっと堪えた。まあ事故みたいなもんだ、気にするほどじゃない。が、悪くない。
シャワーを浴びて、着替えて。アフターは温かいお茶を出された。ペットボトルじゃなくて、ちゃんと淹れたやつ。ほうじ茶だった。深夜のメンエス帰りにほうじ茶。疲れた体にはコーヒーより合う。店を出たら午前5時過ぎ。空がうっすら白み始めていた。北千住の商店街はまだ眠っている。朝日が昇る前に家に帰ろう。この時間帯に開いてる店があって、あの子がいて、助かった。もう会えないのが惜しいが、深夜の当たり嬢として記録しておく。嬢名と店名は限定エリアで公開する。夜勤仲間は見てくれ。