今夜のテーマは“逆転”、Feeling フィーリングを選んだ理由
普段の自分は責められる側に回りたくてこの遊びを続けている。支配される快感を月に一度買いに行っている、と言い換えてもいい。それなのに金曜の夜に指名したのは、店側の紹介で「鬼ドMギャル」と押し出されている子だった。要するに、手綱をこちらが握らされる側に立たされるということになる。
関内から伊勢佐木町にかけての一帯は、飲み屋の看板と客引きの声が層になって重なっていて、夜になると人の輪郭がぼやける。仕事帰りに電車で向かったのだが、駅を出た時点で真夏の湿気にやられ、シャツが背中に貼りついた。暑い。コンビニの前で缶コーヒーを一本空けて、汗が引くのを待ってから部屋に入った。
この店は横浜のこのエリアを地元にしているグループの一軒で、指定した部屋まで女の子を届けてくれる形をとっている。合流までの段取りはスタッフが細かく面倒を見てくれるほうで、部屋番号を伝えたあとは到着予定の時刻まで知らせが入った。送りの車を出しているぶん、時間が読めるのだと思う。指名の仕組みは、写真から選ぶ形と一度会った子を続けて呼ぶ形の二本立てで、後者だと三千円ほど上乗せになる。
この日の自分は、当然ながら前者だ。
みやび嬢がまとう“強め”の皮と、その下
合流までの二十分
ドアを開けた瞬間、正直に言えば少し焦った。黒髪のボブに、まつげも爪も全部盛りのギャルメイク。腕から肩にかけて墨が入っていて、153センチの細い身体の上でそれがやけに主張してくる。全身タトゥーと聞いてはいたが、写真で見るより輪郭がはっきりしている。パッと見の圧が強い。こういう子に当たると、こちらが値踏みされている気分になる。
ところが口を開いた途端に印象がひっくり返った。「お兄さん、汗すごいじゃないですか」と笑って、勝手に空調を強くしてくれる。声が高くて、笑い方が子どもっぽい。刺々しい見た目と中身の柔らかさの落差が、この子の一番の武器なのかもしれない。
電子タバコを一口だけ吸って、隣に座り直してきた。距離の詰め方に迷いがない。
皮が剥がれていく速度
そこからしばらくは、ほとんど雑談で溶けていった。競馬が好きだというので日曜の重賞の話になり、本命を言い合って笑っている。共通の話題を一本見つけると、この子は一気に距離を詰めてくる。休みのたびに予想を持ち込みに来る客がいるらしいのも、この二十分で納得した。
ちなみに本命は二人とも外した。
そういえば、時計を気にする素振りが一度もなかった。それでいてシャワーへ立つタイミングも、戻ってベッドの端に腰を下ろす間合いも妙に正確で、終わりの時刻まで一度も慌ただしくならない。時間配分が上手い子は、それだけで信用できる。前半で急かされると、こちらは最後まで頭が冷えたままになるから。
そしてベッドに入ってから、立場が完全に入れ替わった。こちらが指先を這わせるたびに肩が跳ね、息の音が浅くなっていく。触れている面積はほとんど変えていないのに、返ってくる反応だけが二段階くらい上がっていく。受け身に振り切った身体というのはこういうものなのかと、途中から観察する側に回ってしまった。責められに来たはずの自分が、いつのまにか責める側の顔をしている。この瞬間が堪らない。
…もう、ダメだ。ここから先の記録は限定エリアに置いた。
六項目、感覚だけで付ける
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★☆☆
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★★
性格 ★★★★★
痛気持ちいいの手前で終わった夜のこと
総評として書けるのは、この子は見られることよりも触られることで燃えるタイプだ、ということ。強気な見た目に引っぱられて最初から強く当たると、たぶん噛み合わない。実際、序盤はこちらの力加減が探り切れずに少し雑になった場面があって、そこを笑って流されたのが逆に効いた。主導権はとっくに向こうにあったのだと思う。
部屋が狭かったのと、空調の音が最後まで気になったのは店の責任ではない。自分の部屋選びが悪い。
帰りは電車を一本見送って、駅前でぬるくなったコーヒーを飲み干してから帰った。
痛みの向こう側に行くような、きつく縛って追い込む種類の遊びを求めているなら、この子は違う。ただ、身を委ねるつもりで来たのに委ねられる側へ回される、あの反転の感覚を一度味わってみたいなら、指名する価値は充分にある。名前も店も上に書いたとおりなので、あとは同じ流れをどう作るかという話になる。そこは限定エリアに全部書いた。