火曜の午後、京急の電車を日ノ出町で降りた。真夏の横浜は湿気が肌にまとわりついてきて、伊勢佐木町のアーケードを抜けるころにはシャツが背中に貼りついている。日ノ出町から徒歩で十分ちょっと、仕事を半日で切り上げてきた甲斐があるかどうかは、これから決まる。
普段はメンズエステと回春の店にしか行かない。手技の質だけを追いかけて十年以上、そこそこの金額を溶かしてきた自負がある。抜きより過程が大事、というのが持論だ。
その自分が曙町の人妻店に足を運んだのは、時間をかけた全身リップで評判を取っている人が在籍していると知ったからだ。手技がね、こういう店にこそ埋もれていることがある。
曙町の細い階段を上がるまで
野渡ビルの二階。上りの階段が狭い。二人ですれ違うのがやっとで、下りてきた客とかち合ったときは少し焦った。ところが扉を開けた先はまったく別物だった。
待合が広い。
ソファの間隔がゆったり取ってあって、他の客と視線が合わない配置になっている。トイレもプレイルームも清掃が行き届いていて、この造りは素直に高く評価する。ビル型の箱でここまで手を入れている店はそう多くない。
システムは写真指名が基本で、在籍のなかには特別指名料が三千円上乗せになる人がいる。今回の相手はそちら側だった。コースは四十分からの短時間が主軸。回春の世界だと九十分が当たり前なので、正直「四十分で何ができるんだ」と半信半疑のまま受付に立っていた。
受付から案内までは五分もかからない。スタッフの言葉遣いが丁寧で、こちらが初めてだと分かるとシャワーの位置と部屋の使い方まで先回りして説明してくれた。案内待ちで放置されてイライラした経験は他店で何度もあるので、ここは加点しておく。
愛内ひめの施術カルテ
指名したのは愛内ひめ、三十五歳。予約表が軒並み埋まっている人で、空き枠を見つけられるかどうかが最初の勝負になる。この日は午後に一枠だけ穴が空いていた。
運がよかった。
写真を見た段階では、正直そこまで期待していない。人妻の在籍に強い店で三十代半ばというのは、良くも悪くも読める範囲だと思っていた。
読めなかった。
圧と間の設計
部屋に入ってまず渡されるのが事前アンケートで、してほしいこと・されたくないことを細かくチェックする形式になっている。ここで拾われた内容が最後まで反映される設計で、回春の一流店でも徹底できていないところは多い。
手のひらの当て方が丁寧だ。指先だけで撫でるのではなく、面で置いてから体重をわずかに乗せてくる。圧そのものは強くない。強くないのに逃げ場がない。
密着度でいうと、上半身に一度乗ってきてから離れるまでの間の取り方がうまく、離れている数秒のあいだにこちらの呼吸が勝手に浅くなる。回春の店で言うところの「抜き差し」を、手ではなく距離でやっている感覚に近い。強い刺激を足すのではなく、無いことで意識を持っていく作りだ。
焦らしのレベルが、想定より一段上だった。
これは効いた。
密着と体温の使い方
この人の武器は舌と唇の運び方だと評価する。首から鎖骨、腕の内側、指の一本ずつ。ねっとり時間をかけて、順番を飛ばさない。四十分の枠を考えれば普通は先を急ぐところで、そこを急がないのが判断として面白い。
体温が高いのも効いている。密着した瞬間の温度差で背中がぞわっとくる。三十代半ばの落ち着きがありながら、こちらの反応を見て角度を変えてくるあたり、慣れているというより観察がうまい人だと思った。手数を増やして満足させにくる人は多いが、この人は減らして深くするほうに寄せてくる。四十分という枠のなかでその判断ができるのは、単純に経験の量では説明がつかない。
途中で一度だけ、息を吐く位置を耳の裏にずらしてきた瞬間があって、そこで完全に主導権を渡した。回春の店で自分が積み上げてきた「受け方」の型が通用しない。こういう不意打ちを設計に組み込んでくる人は、業種を問わず数えるほどしかいない。
六項目の採点
ルックス ★★★★☆
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★☆☆
アソコ ★★★☆☆
感度 ★★★☆☆
性格 ★★★★★
童顔で三十五には見えない。ただ掲載写真は加工が強めなので、そこは差し引いて見たほうがいい。性格の五つ星は迷わず付ける。
入口だけ書いて、あとは限定エリアで
シャワーから戻ると照明が一段落とされていた。「暑かったでしょう」と言いながらタオルで首筋を拭かれて、その時点でもう始まっている。世間話の途中でさりげなく手が動き出すので、切り替えの合図がない。
参った、というのが正直なところだ。
四十分は短い。短いのに、終わってから時計を見て「これ本当に四十分か」と声が出た。密度の設計がそれだけ違う。短時間コースを回転させる店は雑になりがちだという先入観が、この日で完全に崩れた。
帰りに伊勢佐木町のコンビニでアイスコーヒーを買って、ぬるくなるまで飲まずに歩いた。頭のなかでまだ手順を再生していたからだ。回春を舐めるな、と普段はえらそうに言っている側なのに、今回は完全に受け身で持っていかれている。
どのオプションを頼んで、どう組み立ててもらったか。アンケートに何を書いてどう返ってきたか。料金と予約の実際も含めて、そのあたりは投稿者限定エリアにまとめて置いておく。