西橘通の坂を上がるまで
土曜の午前、大阪の家を出て阪神電車で神戸まで揺られてきました。三十度を超える暑い日で、新開地から徒歩十分ほどの西橘通に着いた頃には、シャツの背中がぐっしょりでしたよ。年の功で言わせてもらうと、この距離を夏場に歩くのはもう無理があります。
昔はね、この界隈はもっと雑然としていました。日が落ちるまで看板の明かりも点かず、昼間に歩くと妙に居心地が悪かったものです。今は通りが小綺麗で、コンビニの前を買い物袋を提げた人が普通に歩いている。構えていたのは私のほうでした。
なでし娘に足を向けたのは、りいさんという人にもう一度会っておきたかったからです。前に伺ったのは春先で、それきり日程が合わずに半年近く空いてしまいました。この日も本当はふらっと寄っただけで、空きがあると言われたときは受付の方に二度も聞き返してしまったくらいです。
りいさんと向かい合って
案内されるまでの十五分
受付は通りに面した控えめな入口で、階段を上がったところにあります。名乗る前に「お久しぶりですね」と声をかけられて、こちらのほうが面食らいました。この店は本指名と写真指名がはっきり分かれていて、どちらを選ぶかと時間の枠の取り方で、案内の流れも待つ長さも変わります。私は最初から一人だけ決めていたので、名前を伝えて座るだけでしたな。
料金は短い枠なら一万五千円あたりから、長めに取れば四万一千円ほどまで幅があります。
待合は正直に言うと狭い。ソファが三つと自販機が一台で、先客が二人もいると足の置き場に困ります。備え付けの週刊誌をめくりながら十五分ほど待ちました。建物そのものは古いのですが、床にも水回りにも埃がなく、掃除の手が毎日入っているのが分かる。こういうところで手を抜かない店は、たいてい中も外れません。
距離の詰め方が早い
扉が開いて顔を合わせた瞬間、なぜか二人同時に噴き出してしまい、笑ったままハグをする形になりました。半年ぶりでこの入り方をされると、こちらの構えは一秒で崩れます。
百五十五センチの細身で、写真で見るより肌が白い。前職が看護師だったという話と、休みの日はバイクで走りに行くという話を、シャワーの前の数分で聞きました。Cカップという申告に嘘はありませんでしたよ。腕も脚も細いのに、抱いたときに骨が当たらない。この手の体つきは、写真ではまず伝わりません。
最近の子は、初手から距離を詰めてくる子と、こちらが崩すまで待つ子にきれいに分かれます。りいさんは前者ですが、押しつけがましさが一切ない。相手の呼吸を先に読んでから来る感じで、これは持って生まれたものか、白衣を着ていた頃の癖なのか。
年の功で採点しておく
ルックス ★★★★☆ 派手さはないが清潔感で押し切る顔立ち
スタイル ★★★★☆ 細いのに骨っぽくない
おっぱい ★★★☆☆ 大きさより形と柔らかさで見せる
アソコ ★★★☆☆ 具合の話は限定側にまわします
感度 ★★★★☆ 反応が素直で作り物に見えない
性格 ★★★★★ ここが最大の武器
辛口に付けたつもりですが、総合では文句のつけようがありません。数字の話をもう少しすると、感度の欄を満点にしなかったのは、本人が自分の反応をきちんと制御できているからです。壊れた振りをして見せるほうが客受けはいいのでしょうが、りいさんはそれをやらない。私はそのほうが好みでしたよ。
この続きは限定の側に
シャワーは二人で入りました。背中を流してもらいながら、前回話しそびれた与太話を延々としていた記憶があります。急かされないというのが、この歳になると一番ありがたい。湯気の向こうで笑っている顔を見ていると、何をしに来たのか一瞬わからなくなる。
そこから先の九十分については、ここには書きません。
ただ、笑いながら始まった時間は、たいてい最後まで笑って終わります。
ひとつだけ書いておくと、この人はこちらが黙っている時間を怖がりません。間が空いても平気で、埋めようとして無駄口を叩かない。五十を超えると、喋り倒してくれる相手より沈黙に付き合ってくれる相手のほうが遥かに得難くなります。若い頃の私は間が持たないのが怖くて、こちらから喋って場を作りにいっていました。今は逆で、黙ったまま横に転がっていられる時間にいくら払っても惜しくないと思うようになった。歳を取るというのは、要するにそういうことなのでしょう。この日も、部屋を出る五分前は二人ともほとんど喋っていません。
困るのは予約です。この人はとにかく枠が埋まる。会いたいと思った日に取れた試しがなく、今回もたまたま欠員が出た穴に滑り込んだだけでした。人気なのは分かりますが、こればかりは何ともなりませんな。
帰りは新開地の駅前でラーメンを一杯すすって、電車で大阪に戻りました。汗が引かないうちに熱いスープを飲むのは我ながら阿呆な話ですが、あの日はそういう気分だったのです。窓の外が暗くなる前に家に着いてしまうのも、昼の遊びのいいところでしょう。
また行きます。限定エリアのほうに、部屋で何があったのかと、次に名前を伝えるときのコツを書いておきました。