池袋西口、白い階段を三階まで
私が脚を見に行く店を選ぶ基準は、単純である。密着している時間が長いこと。そして脚に触れる工程が、サービスの中にきちんと組み込まれていること。この二つを両方満たす店は、池袋にそう多くない。木曜の夕方、仕事を早めに切り上げて西口へ向かった。
場所は西口から徒歩で数分、北口寄りの一角にあたる。飲み屋の看板が増えはじめる通りを一本内側へ入ると、看板らしい看板の出ていない雑居ビルが立っている。エレベーターはない。白い階段を三階まで自分の脚で上がる造りだ。ここが枠の取れない人気店だとは、外からはまず分からないだろう。
受付は思っていたよりも簡素で、待合と呼べるほどの空間はない。二人も座れば狭い。スタッフが名前と時間を確認して、そのまま入室の案内になる。無駄がないと言えば無駄がない。この日は八月の暑い日で、階段を上がっただけで背中に汗が浮いた。冷たいおしぼりが先に出てきたのは正直ありがたかったし、そのあいだにシステムの説明も一通り受けた。時間で区切られたコースを先に決めて、写真を見て指名する形である。泡を使ったホイップ洗体という工程は九十分以上のコースでのみ付く、と店側が明記していた。私は迷わず九十分を選んだ。脚をきちんと見るのに、短いコースでは足りないのである。
ひとつ先に書いておくと、この店の人気どころは枠が常に埋まっている。私が今回会えたのも、たまたま二週間前に空いた一枠を拾えたからにすぎない。
みなという脚線美について
脚線美とは、部分の美しさで決まるものではない。太ももから足首までが一本の線として繋がっているかどうか。私はずっとそう考えてきた。
太ももからふくらはぎへ
155cmという身長に対して、みなの太ももは驚くほど細い。ただ痩せているだけの脚ではないのが良かった。膝の少し上あたりに柔らかさがきちんと残っていて、指を置くと、もちもちと沈んでから押し返してくる。細さと柔らかさが同居している脚は、実はそれほど多くないのである。
この太ももからふくらはぎのラインが、途中で妙なくびれを作らずに、なだらかに落ちていく。筋肉の張りが表に出すぎず、それでいて頼りなくもない。座った姿勢で膝を揃えたときの輪郭が特に良く、私は施術が始まる前から、しばらくそこばかり見ていた。…素晴らしい、としか言いようがない。
足首と、素肌の質感
ここで足首を見る。
足首の細さがポイントだ、というのが私の持論である。みなの場合、ふくらはぎの膨らみが終わってから足首に至るまでの落差がはっきりしている。ここが緩い脚は、どれだけ太ももが綺麗でも全体が締まって見えない。彼女の脚はその点で減点する箇所がなかったと言えるだろう。
なお、この日は生脚であった。パンスト越しの質感を密かに期待していた私としては、そこだけは肩透かしである。ただし素肌には素肌の良さがあって、部屋の間接照明の当たり方ひとつでふくらはぎの輪郭が変わる。あれはあれで、長く見ていられるものであった。
肌そのものも、なめらかという言葉が誇張にならない程度にはなめらかだった。
ルックス ★★★★☆
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★☆☆
アソコ ★★★☆☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
白い泡が乾くまでの、最初の三十分
部屋に入って荷物を置いた途端、みなのほうからハグしてきた。プロフィールに「むしろ私からしちゃいます」と書いてあったのは、どうやら本当だったらしい。そこから軽く唇が触れて、それで終わり。挨拶の延長のような、ライトなものであった。
シャワーを浴びてから、例のホイップ洗体に入る。泡をたっぷり載せた手が脚の上を滑っていく、この工程こそが私にとってはこの日の主役だった。泡がぬるぬると滑るたび、ふくらはぎの輪郭が手のひらの下で少しずつ形を変える。脚フェチにとってこれ以上の見せ場があるだろうか。
思わず息が止まった。
「くすぐったくないですか」と、一度だけ聞かれた。くすぐったくない、と答えるのがやっとだった。心のなかでは、やばい、としか思っていなかったのだが。
惜しかったのは、そのあとに続いたマッサージの力加減が、私にはやや強かったことだ。太ももの外側をほぐされたとき、一瞬だけ痛かった。もっとも、これは施術の巧拙ではなく好みの問題だろうと思う。強めが好きな人には、むしろ当たりのはずで、実際に彼女は途中で一度こちらの顔色を確かめてきた。強さを聞き返してくる余裕があるだけでも、私には十分だったのである。
ここから先は限定エリアに書いた。
九十分を終えて
顔立ちが掲載写真から想像する通りだったことに、驚きはない。驚いたのは距離感のほうであった。初対面なのに、こちらが黙り込んでも部屋の空気が気まずくならない。前職が営業事務だったと聞いて、なるほどと妙に納得してしまった。会話の間の取り方が、接客というより雑談のそれなのである。
帰りに西口のラーメン屋に寄って、そういえば足首をよく見ないまま帰ってきてしまった、と気づいた。次があるなら、そこは必ず最初に確かめる。コンビニで水を買って階段を降りたときには、もう次の予定を考えていたのだから、我ながら現金なものである。
この脚は、同好の士に紹介する価値がある。名前と店はもう上に書いてしまったので、代わりに、枠を取るときのコツと、あの九十分の残り半分を限定エリアに置いておくことにする。