近鉄に揺られて三十分の遠出
私は普段、大阪の界隈でしか遊ばない男です。奈良まで足を延ばしたのは、たぶん十年ぶりでしたよ。土曜の夕方、仕事を片付けてから電車に乗った。三十分ちょっと。それだけで空気がすっかり変わる。
近鉄奈良駅を出ると観光客がまだ残っていて、鹿がのんびり歩いている。その脇を五十過ぎの男が一人、ホテル街のほうへ向かって歩いていくわけです。我ながら妙な絵ですな。
MUTEKI人妻倶楽部 奈良店は箱を持たない店で、待合室もソファも無い。こちらが先にホテルへ入って、部屋番号を伝えるところから始まる。昔はね、店まで出向いて分厚いアルバムを見せてもらって、それから小一時間待たされたもんです。今はその手間が丸ごと消えた。良し悪しは別として、体力の落ちた身にはありがたい。
この日は最初に当てが外れましてね。目当てのラブホが満室で、入口で立ち尽くしていたら、店のスタッフが歩いて五分ほどの別のホテルをすぐ押さえてくれた。おかげで開始時刻はほとんどずれずに済んだ。こういう場面での動きの速さは、遊ぶ側からすると点数が高い。
指名は写真を見て決める形が基本で、指名料が二千円ぶん上に乗る。フリーで入る手もあるが、私はもう歳なので、顔と雰囲気を確かめてから決めたい。
琴美さんという人
扉が開いた三秒
ノックの音がして、扉を開ける。
そこで三秒ほど固まりました。
細い。
とにかく細い。小顔で、首から肩にかけての線がきれいに出ている。事前に写メ日記の写真をひととおり眺めてから来たのだが、あれは加工なしですな。むしろ実物のほうが良かった。年の功で言わせてもらうと、この手の「写真どおり」に当たる確率はそう高くない。だいたいは扉が開いた瞬間に、こちらが表情を作る側に回るものです。
「こんな暑い日に、よう来てくれましたね」と、向こうから先に声をかけてくれた。二十四歳。私の半分以下ですよ。情けない話だが、少し声が上ずりました。
細身の人は写真写りで得をすることが多くて、実物に会うと骨っぽく見えるほうへ転ぶ場合がある。この人は逆でしてね。肩も腰も、線が痩せているというより整っている。立ち姿のまま数秒眺めていたら、こちらの視線に気づいて肩をすくめて笑われました。
並んで座って喋っていた時間
部屋が狭くて、ソファというよりベンチみたいなやつに二人で並んで座ることになった。最初の十五分はほぼ雑談です。前はOLをしていたとか、人と喋るのが好きだとか、そういう他愛のない話。受け答えに少し天然なところがあって、こちらの間の悪い冗談にもちゃんと乗ってくれる。本人はお姉さん気質だと言うのだが、私から見れば十分に若い。
そういえば、道中のコンビニで買った缶コーヒーを鞄に入れっぱなしにしていて、帰りの電車で温くなったのを飲む羽目になった。それくらい話に気を取られていたということです。
喋りで場を作れる人というのは、実のところ数が少ない。黙られると気詰まりだし、逆に一方的に喋られても疲れる。この人はこちらが話したそうにしている間はきちんと黙って、間が空いたところで軽く引っ張ってくれる。年齢のわりに、そのあたりの呼吸が妙にうまいのです。
シャワーを浴びて、部屋の照明を少し落としてもらった。この先のことは、ここには書きません。
ルックス ★★★★★ 写真のままの人
スタイル ★★★★★ 細さがそのまま武器
おっぱい ★★★☆☆ 大きくはない。形は素直に良い
アソコ ★★★★☆ 本人の自己申告に嘘なし
感度 ★★★★☆ 反応が返ってくるのが早い
性格 ★★★★★ 間を作れる人でしたよ
駅まで歩きながら考えていたこと
22時前に部屋を出て、終電までまだ間があったので駅まで歩いた。汗をかいたので、途中でラーメンを一杯食べて帰りましたよ。奈良の店は閉まるのが早い。これは覚えておいたほうがいい。
この歳になると、良かった悪かったの二択で片づけられなくなる。上手だったとか可愛かったとか、そういう言葉に落とすと何かがこぼれる。ただ、帰りの電車でずっと同じ場面を思い返していたのは事実でしてね。
最近の子は、と言いかけて止めました。世代でひとくくりにできる相手ではなかった。
ひとつだけ差し引くなら、部屋の空調が効きすぎていて、途中から寒いくらいだったこと。これは店の落ち度でも本人の落ち度でもなく、単に私がホテル選びをしくじっただけの話です。次は最初から別の系列で押さえます。年を取ると寒さのほうが先に来るもので、若い頃は空調の設定など気にしたこともなかったのですが、今は上着を一枚持っていくかどうかで夜の出来が変わる。情けない話ですが、これも年の功のうちだと思って受け入れております。
肝心のところ——部屋で何があって、どこまでが通って、どこに線が引かれていたのか。料金の目安と、狙うべき時間帯も含めて、その先は限定エリアに置いておきます。