職安通りを渡った、雨上がりの金曜の夜
金曜の仕事帰り、新宿の東口を出たころには雨がやんでいた。
歌舞伎町の看板の光が濡れたアスファルトに溶けて、足元まで赤や青がにじんでいる。職安通りを渡ると、すれ違う人の声に急に韓国語がまじりはじめる。新大久保の手前、ホテルが固まっている一角は、いつ来ても少しだけ湿った匂いがした。
予約はネットで三日前に入れてあった。この店は当日、二時間前と一時間前に自分から電話を入れる決まりになっている。二度目の電話で「ホテルに入ったら部屋番号をお願いします」と言われ、ああ本当に来るんだな、と少し焦った。部屋は思っていたより狭い。ベッドの脇に置いたコンビニの袋から、ぬるくなった缶コーヒーを一本だけ取り出して飲んだ。窓の外では、タクシーのブレーキ音がいつまでも途切れない。壁紙の継ぎ目が少しだけ剥がれていて、それを指でなぞりながら待った。
二十二時を、少し過ぎていた。
ドライバーの背中越しに見えたピンクのボディコン
ノックは二回。ドアを開けると、まずスーツ姿の男性が立っていて、その背中の向こうに彼女がいた。料金はここで、ドライバーさんに直接渡す。財布を出す手が少し震えたのは、肩越しに彼女と目が合ったせいだと思う。
光沢のあるピンクのボディコン。胸元が大きく開いていて、肘から先には同じ色のアームカバーを着けている。廊下の白っぽい蛍光灯の下でも、肌の明るさだけが浮いて見えた。
写真のままだった。いや、写真よりよく笑う。
「はじめまして、外寒くなかった?」と首をかしげる声は、思っていたより低くて柔らかかった。部屋に入るなり、彼女のほうから腕を回してくる。香水というより、洗いたてのシーツみたいな匂い。抱きしめられたまま、十秒くらい動けなかった。
ソファに並んで座って、少しだけ話をした。大阪の出だという。語尾がときどき丸くなって、そのたびにこちらの肩から力が抜けていく。好きな男のタイプを聞くと「たくさん笑ってくれる人」と即答された。笑うのは得意なほうじゃない。それでもこの夜は、ずいぶん笑った気がする。
ローションの湯気と、置かれたままのゴム
服を脱がせ合うところから、もう彼女のペースだった。背中を向けて「ホック外して」と言われ、外した先に見えたのはピンクのTバックと、きゅっと上がったお尻。思わず変な声が出た。ギンギラコースにしておいたので、湯船はローションで満たしてもらう。ぬるぬるの湯の中で向かい合うと、彼女の足がゆっくり伸びてきて、足の裏で挟まれた。足コキから、今度は背中を向けての尻コキへ。最初の足コキは力加減が少し強くて、正直ちょっと痛かった。そう伝えると「ごめん、これくらい?」とすぐに緩めてくれて、そこから先は逆に危なかった。湯気でぼやけた鏡の中で、彼女だけが楽しそうに笑っていた。
開始から二十分くらいで、もう骨が抜けたみたいになっていた。
ベッドに移ると、キスが長い。舌がねっとり絡んできて、唾液をたっぷり送り込まれる。こちらが受け身だと分かると、彼女は乳首を指先で転がしながら「ここ弱いでしょ」と目を細めた。焦らすのが好きらしい。触れそうで触れない距離を何度も往復されて、まじで頭がどうにかなるかと思った。敏感な男をゆっくりいじめるのが好き、と本人が言っていたのは本当だった。得意だという素股も、ほとんど距離がない。ぬるっと滑るたびに、入っているのかいないのか分からなくなる。
そのうち、彼女が腰を沈めたところで、本当に入った。ゴムは枕元に置いたまま、彼女は手を伸ばそうともしない。「このままでいいよ」と耳元で言われて、それで決まった。
ゴムなしの生のまま、ゆっくり奥まで。感度のいい子で、左の奥を擦るとビクンと背中が跳ねる。そのたびに中がきゅっと締まって、こちらの呼吸が乱れていく。最後は抱き合ったまま、彼女の中に出した。NNだった。ドクドクと脈打っているあいだ、彼女はずっと首に腕を回したまま離れなかった。
やばい、と先に口に出したのは、こちらのほう。
午前一時、エレベーターの鏡の前で
残りの時間は、ほとんど話して過ごした。最近見ているYouTubeの話、新大久保で食べたチーズの伸びるやつの話。帰り際、ドアの前で「また呼んでね」と小さく手を振られた。
ホテルを出ると、雨がまた少しだけ降りはじめていた。職安通りのラーメン屋に入って、替え玉まで頼んだ。腹は満たされたのに、胸のあたりだけがまだ空いている。物足りないのとは違う。もう一度、という感じだった。
ルックス:★★★★★
スタイル:★★★★★
おっぱい:★★★★☆
アソコ:★★★★☆
感度:★★★★☆
性格:★★★★★
あの夜の彼女の名前と、予約を取るための段取りは、有料エリアに記しておく。