紅葉にはまだ早い木曜の午後5時過ぎ、仕事帰りに山手線を鶯谷で降りた。北口の改札を抜けると、駅前の古い喫茶店からコーヒーの匂いが流れてきて、思わず一杯だけ寄り道をしたのである。
この街に通うようになって十年近くになる。若い頃は池袋や五反田ばかりだったが、四十を過ぎてからは、落ち着いた大人の女性と静かに過ごせるこの界隈の空気が肌に合うようになった。
今回選んだのは「熟女デリヘル倶楽部」。名前は直球だが、写真日記の文章が丁寧で、在籍の女性たちの言葉づかいに品がある店だと前から気になっていた。予約はネットで済ませ、三日前に枠を押さえた。
正直に言えば、予約が取れた時点で半分は満足していた。
残りの半分は、緊張である。
鶯谷北口、坂の下で待った二十分
ホテルは駅から徒歩で五分ほど、言問通りから一本入った坂の途中にした。店からは入室を断られるホテルが二軒指定されていて、そこだけは避けてくれと念を押される。初めての客には少し不親切に聞こえるかもしれないが、事前に言われるぶん揉めずに済むので、私はむしろ好ましく思った。
部屋は狭い。ベッドの脇に鞄を置くと、もう人がすれ違えないほどであった。窓の外では電車の音が規則正しく続いていて、落ち着かないような、逆に眠くなるような、妙な待ち時間だった。
手持ち無沙汰に、テレビをつけては消し、冷蔵庫の水を一本開けた。年甲斐もなく落ち着かないのが自分でも可笑しい。待つ時間も料金のうちだと、昔ある友人が言っていたのを思い出す。
到着の連絡から十五分ほどでノックが鳴った。
笑うと目尻が下がる、ひまわりという女性
ドアを開けた瞬間、こちらの緊張がほどけた。名前のとおりの笑顔である。ショートボブの黒髪に、大きな瞳、ふっくらとした唇。166センチの長身で、すっと背筋が伸びている。
「雨、降らなくてよかったですね」
開口一番、天気の話。こちらがコートを脱ぐ間に、彼女は鞄から小さな包みを出して「よかったら」と差し出してくれた。お団子だった。
こういう気づかいを自然にされると、四十代の男は弱い。
体のラインは、服の上からでも鍛えているのが分かる。聞けば週に何度かジムに通っていて、ベランダではプランターで野菜を育てているのだという。話題が筋トレからミニトマトの摘心に飛び、気づけば十分ほど二人で笑っていた。
落ち着いた大人の色気と、屈託のない明るさが同居している、と書くと陳腐になるので言い直す。笑い方に裏表がないのである。こちらの話をきちんと最後まで聞いて、それから自分の話をする。その順番が崩れない人だった。仕事の愚痴をこぼした私に「大丈夫だよ」と一言返してくれたのだが、その言い方があまりに軽やかで、肩の荷が本当に少し下りた気がした。女性にこうして励まされて喜んでいる自分を、我ながら単純な男だと思う。
ルックス:★★★★★
おっぱい:★★★★☆
スタイル:★★★★★
アソコ:★★★★☆
性格:★★★★★
感度:★★★★☆
胸は手のひらに収まる上品な形で、色白の肌によく映える。腰のくびれから脚にかけての線は、写真よりも実物のほうが美しかった。
シャワーの湯気が晴れるまで
雑談の続きのまま浴室へ
「そろそろ行きましょうか」と彼女のほうから声をかけてくれた。会話の切れ目を見て促してくれるので、こちらが時計を気にせずに済む。
浴室でも話は止まらない。泡を立てながら、彼女は最近見つけたという上野の定食屋の話をし、私は先週食べ損ねたラーメンの話をした。湯温が少しぬるめで、肩が冷えたのはちょっと惜しかったが、背中を流す手つきが丁寧で、すぐに気にならなくなった。
タオルで体を拭いてもらいながら、ふと目が合う。笑顔からすっと真顔に変わる、その一瞬にどきりとさせられた。心の中で「これは、まじでやばい」と呟いたのは、紳士らしからぬ本音である。
ベッドに移ってからの時間は、彼女の印象をもう一段塗り替えるものであった。明るい人だと思っていたら、灯りを落とした途端に表情ががらりと変わる。この先、どこまで許してくれる人なのか、どんな声で応えてくれる人なのかは、投稿者限定のページに書き残しておく。
坂を下りながら考えたこと
部屋を出ると、すっかり暗くなっていた。駅までの坂を下りながら、私は次の予約をいつにするかを考えていた。
派手な何かがあったわけではない。ただ、終始こちらを一人の人間として扱ってくれた。それがこれほど心地よいものだったかと、帰りの電車でしばらく反芻していたのである。上野で乗り換えるつもりが、考え事をしていて一駅乗り過ごしたのは、ここだけの話にしておきたい。
難点を挙げるなら、人気ゆえに予約が取りにくいこと。これは私の都合で、彼女のせいではない。
鶯谷で、大人の女性と穏やかに過ごしたい紳士諸兄には、迷わず薦めたい一人と言えよう。核心の部分は、限定エリアに記しておく。