八月最初の土曜、京急に飛び乗った
ここ数年、私は遊ぶ本数を絞っている。月に一度か二度、これという相手にだけ会いに行く。その一度を川崎に使うと決めたのが、八月最初の土曜であった。
品川で快特を待つ間、ホームがとにかく暑い。冷房の効いた車内に十五分ほど揺られ、京急川崎の改札を出る頃には汗も引いていた。堀之内の路地は昼過ぎでも人がまばらで、看板の並びだけが何年も変わらない。
そういえば前にこの街へ来たときは、結局駅前でラーメンを食べて帰っただけだった。今回はそういう終わり方にはならない気がしていた。根拠は何もない。
川崎を選んだのは、この街のソープが良くも悪くも正直だからである。値段のわりに手を抜かない店と、看板だけで中身の伴わない店とがはっきり分かれている。お姉京都がそのどちらなのかを、一度自分の目で確かめておきたかった。押さえたのは、ネット枠に一つだけ残っていた十七時前の回であった。
写真の三割増しで現れた人
お姉京都という店は、採用の基準がかなり厳しいのだと後から聞いた。面接で落ちる子もいれば、同じ系列の別の店に回る子もいるらしい。いろはという女性は、その基準の内側に涼しい顔で座っている人であった。
キツネ顔、という言い方が一番近い。目尻がすっと上がっていて、笑うと途端に幼くなる。今どきよくある作り物の二重ではなく、どこにも手を入れていない顔だ。二十四歳と聞いていたが、正直もっと下に見えた。秋田の出だという。
白いバニーで階段に立っていたのだが、165cmという身長でこれが似合う人はそう多くない。腰から下が縦に長く、それでいて胸の存在感が負けていない。Eという表記に対しては、寄せて作った膨らみではなく、椀を伏せた形の良さで見せるタイプだと言えよう。肌はもちもちで、指を置くと吸い付いてくる。
部屋へ向かうまでの短い間に少し言葉を交わしたのだが、アニメとゲームの話題になると口調が一段軽くなる。最近は意識して歩く距離を増やしているそうで、腰から腿にかけての張りはおそらくそのせいだ。自分の体がどう見えているかを分かっている人の話し方であった。
正直に書くと、この時点で私はやばいと思った。
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★★
おっぱい ★★★★☆
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★★
性格 ★★★★★
堀之内の一室で起きたこと
バニー姿の出迎えと、急な階段
階段のところで顔を合わせた瞬間、彼女のほうから抱きついてきた。そのまま口づけになり、こちらが少し深く求めると、嫌がる素振りもなく嬉しそうに応えてくる。この価格帯の店で、ここまで熱の入った出迎えをされるとは思っていなかった。
部屋へ上がる階段が急で、彼女は先に立ってから振り返り、「ここ暗いから気をつけてね」と声をかけてくる。段差の位置を手で示し、そのあとにもう一度「大丈夫?」と確認された。手順として覚えた所作ではない。教わってできることでもない。
部屋に入って荷物を置くと、改めて抱き寄せられ、また深く口づけられた。この店には流さずにすぐ始める遊び方もあるそうで、その熱の掛け方だったのだと思う。
湯気の中での問いかけ
私は先に流したい質なので、その旨を伝えて洗い場へ移った。ここからが、この人の本当のところであった。
洗い場は決して広くはなく、二人で立つと少し狭い。距離が近いぶん、彼女の言葉がやたらとよく届く。
泡をまとった手と体で私を洗いながら、彼女は何度も確認してくる。「触られて嫌なところある?」「ここはこうしてほしい、とかあったら言ってね」。そして最後に「遠慮しないで」と、はにかんだ顔で付け加えた。
この値段の店で、ここまで客の側に気を配る人は珍しい。高級店ならわかる。堀之内でこれをやられると、こちらの構えのほうが先に崩れる。
ついでに言えば、洗いながらこちらの話を拾うのが上手い。行きの車内が混んでいたと零したら、そこから川崎までの経路の話に広がって、気づけば背中の泡が流されていた。時間を消費している感じが少しもない。
湯から上がる直前、彼女が急に申し訳なさそうな顔になった。「私、すごく汗かくの。始まるとべたべたになっちゃうけど、ごめんね」。汗を嫌がられることのほうが多い商売で、これを自分から先に言ってくる。私にとっては謝られる筋合いのない話であった。
ベッドに移ってからのことは、ここから先の限定エリアに置いておく。彼女がどう応え、どこまで進んだのか。料金と予約の実際も、そちらに書いた。