紅葉にはまだ早い木曜、昼に呼んだ日のこと
あの日のことは、帰りの電車の中でもう一回なぞっていた。
大きな事件があったわけじゃない。予約の取れない子と、一度ちゃんと会えた。それだけの話ですかね。
完売続きの子の枠が一つだけ空いていた
岡山でデリヘルを呼ぶとき、ここ一年くらいはRANKAN ランカンの出勤表を眺めるのが癖になっていた。ゆずかという名前は前から目に入っていたけど、出勤が出たそばから枠が埋まって「受付終了」になる。電話してみて空振り、というのを何度かやった。
その週は仕事の段取りが早く片付いて、木曜の午後がまるごと空いた。昼前に出勤表を開いたら13時台がひとつだけ残っていて、迷う前に押していた。
120分にしたのは、慌ただしいのが嫌だったから。結果的にこれは正解だった。
そういえば、ここに来る前に駅の西口でラーメンを食べるつもりだったのに、店の前に行列ができていて諦めた。平日の昼にこれだけ並ぶのかと少し驚きつつ、この後のことを考えると腹いっぱいにするのも違う気がして、結局は何も食べずにホテルの方へ歩き出した。空腹のまま待つ三十分は長くて、テレビをつけたり消したり、スマホで天気を見たり、部屋の中を二往復くらいうろうろしていた。こういう待ち時間の落ち着かなさは、何回やっても慣れない。
結局、空腹には勝てなかった。
ホテルは岡山駅前の、東口から徒歩数分のところ。駅の地下のコンビニでお茶とおにぎりを買って、チェックインしてから一個だけ食べた。途中で腹が鳴ったら恥ずかしいので。
部屋は思ったより狭い。ベッドと壁の間がほとんど無くて、鞄の置き場に困った。窓を開けても隣のビルの壁しか見えない。この辺だと、昼のフリータイムで安い部屋を取るとだいたいこんなものですかね。
ショートになっていたゆずか(RANKAN ランカン)
インターホンが鳴って開けると、パネルの写真とは髪型が違った。写真だと胸の下まである黒髪なのに、目の前の本人は耳が見えるくらいのショート。
一瞬こっちが固まったのを見て、本人が先に「写真と違うでしょ、切っちゃった」と笑った。それで肩の力がふっと抜けた。
小柄なのに、ニット越しでも胸のラインがはっきり分かる。腰はきゅっと細くて、脚がきれい。ソファに座るときの背筋の伸び方がいい子だった。声は落ち着いていて、話すテンポをこっちに合わせてくれる。
荷物を置いてから少しだけ雑談。猫が好きで、寿司が好きで、甘いものは苦手らしい。差し入れにケーキを買っていかなくてよかったと、内心ほっとした。一番嫌いなのは急かされることだそうで、「120分にしてくれて助かる」と言われた。こっちも時間に追われるのは苦手なので、そこは気が合った。映画の話になって、最近観たものを言い合っていたら十分くらい経っていた。
ルックス:★★★★★
スタイル:★★★★★
おっぱい:★★★★☆
アソコ:★★★★☆
感度:★★★★☆
性格:★★★★★
湯気の中で距離が縮まるまで
お風呂は彼女が先にお湯を溜めておいてくれて、狭い浴槽に二人で入った。肩が当たるくらいの距離。
向かい合ったところで向こうからキスが来て、そのまましばらく離れなかった。お湯の中で手をつないだまま、軽いキスが少しずつ深くなっていく。
ボディソープを手に取って背中を洗ってくれる手つきが丁寧で、泡がぬるっと滑るたびにこっちの肩がゆるんでいった。肌が白くて、触るとしっとり吸い付いてくる。胸はやわらかいのに張りがあって、指を沈めると押し返してくる感じだった。
やばい、と思った。
浴槽の縁に腰掛けたところで胸元に軽く口をつけたら、それだけで肩がビクンと跳ねた。
「そこ弱いの」と小さい声。
敏感な子だろうとは思っていたけど、湯船の段階でこれかと、ちょっと焦った。正直こっちも危なくなって、慌てて先に浴槽から出たのは情けない話。
ここから先、ベッドに移ってからのことは限定エリアに書いておく。彼女が何をどこまでしてくれたかは、そっちで。
帰りの電車で思い返したこと
濃い二時間だった。
終わってみると、120分のうち半分近くは話していた気がする。それでも物足りない感じは全然なくて、ひとつひとつの時間が濃かった。
引っかかったのは、最初のキスで一度だけ歯が当たったことくらい。向こうも笑っていたので、気にするほどでもない。
ホテルを出たら雨がぱらついていて、傘を持っていなかったので駅まで小走り。在来線の窓に映った自分の顔が、やけに緩んでいた。
まじで、また会いたいと思ったのはいつ以来ですかね。
帰りに寄った駅の本屋で、猫の写真集を手に取ってしまったのは自分でも笑った。
次は髪がもう少し伸びた頃に。たぶんまた、出勤表と予約の取り合いをすることになる。