普段はアジア系の子ばかり指名している。韓国、中国、たまにタイ。梅田で日本人の十代を写真指名するなんて、ここ二年で一度もなかった。
それが土曜の夜に崩れた。
梅田から兎我野町まで歩いた土曜の夜
仕事は昼で上がって、夕方まで家で寝ていた。21時に飲み会の誘いがあったのを断って、大阪駅から東へ歩いた。八月末の大阪はまだ暑い日が続いていて、十分歩いただけでシャツが背中に貼りつく。
そういえばこのあたり、五年前に来たときより飲み屋の看板が減った気がする。
駅からの道と、店の入り口まで
JR大阪駅の御堂筋口から徒歩で十二分ほど。地下鉄なら東梅田のほうが近い。曽根崎警察署の裏手をまっすぐ抜けると、急に飲食店の灯りが途切れて雑居ビルの列になる。SPEED スピード 梅田店 が入っているのは、その一角にある久富トガノレジャービルの一階で、一階なのが地味にありがたい。エレベーターを待つ数十秒が、この業種でいちばん気まずい時間だと思っている。
受付で言われたことと、案内までの流れ
ホテヘルなので、店で合流してから二人でホテルまで歩く形になる。受付の男性が、コースの時間と、その時間帯のホテルの混み具合を先に説明してくれた。
電卓を出して総額を目の前で計算して見せてくれるのが良かった。後から積み上がる不安がないだけで、こっちの機嫌はだいぶ変わる。
待合室は広い。
ソファが四つあって、先客が二人いても圧迫感はなかった。名前を呼ばれるまで五分ほど。写真指名で入ったが、フリーで回す遊び方もできるらしい。ホテルまでは手をつないで歩く形で、その道中で相手の緊張具合が分かるのが、この業態のいいところだと思っている。
ゆりが部屋に入ってきた最初の三十秒
先に結論を書くと、パネルより実物のほうが良い。逆パネマジという言葉、久しぶりに使った。
小柄。
T150と聞いていたが、隣に並ぶともっと小さく見える。色白で、染めていない黒のストレートが肩より下まで落ちている。坂道系のアイドルに似ていると言われるらしくて、それは素直にうなずける顔だった。写真で見ていたときは正直そこまで期待していなかったので、落差のぶんだけ得をした気分になる。
ネイルを外したばかりだと言っていた。十九歳。セーラー服が似合いそう、という表現が浮かんで自分でちょっと引いた。前の仕事は学生で、こういう店は今回が最初らしい。
顔を上げるタイミングがまだ定まっていなくて、こっちが話を振ると一拍遅れて返ってくる。その一拍が悪くない。
この空気感は日本人にはない、っていつも言っている側の人間なんだが、今日のは完全に逆だった。国籍で括れないんだよな、と改めて思う。
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★★
アソコ ★★★☆☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
胸はEだが、150cmの体に乗っているぶん数字以上に見える。もちもちしていて、触ると手が離れなくなるタイプだった。
香水の話で少し盛り上がって、そこから急に距離が縮んだ。何を使っているか聞いたら、名前は内緒ですと笑われた。煙草は吸わないと言っていて、実際に部屋に匂いは残らなかった。
七十五分の入り口だけ書いておく
ホテルは店から歩いて三分の一軒。部屋は狭いし、エアコンの効きが弱くて最初の十分は二人とも汗をかいていた。文句を言うなら店ではなくこの部屋に言いたい。
シャワーの前に少し話した。恥ずかしがり屋で、こっちが目を合わせると先に逸らす。この仕事は初めてだと言っていて、それが作った台詞じゃないのは手の落ち着かなさで分かる。
「緊張してます」と小さい声で言われて、それでこっちの緊張のほうがほどけた。
脱ぐ順番も、タオルを渡す間合いも、まだ体に入っていない。そのぶん一つずつ確認しながら進むので、時間の使い方は雑になる。急ぐ子ではないのが救いだった。
キスが上手い。唇が柔らかくて、舌の動きが滑らかで、正直そこで組み立てが崩れた。ぺろ、と軽く触れてくる角度が毎回違う。
そこで一度、時計を見た。
ここから先は限定エリアに置いておく。
この日の落としどころ
新人特有のぎこちなさは確かにある。
段取りは覚えたてって感じで、進め方はほぼこっちが決めることになる。それを物足りないと取るか、今しか見られないと取るかで評価が割れる子だと思う。自分は後者だった。この店は待合も受付も落ち着いていて、初めての相手を試すには向いている造りだと思う。
帰りに堂山のラーメン屋へ寄って、まじで良い夜だったなと思いながら替え玉を頼んだ。コンビニで水を買って、始発まで時間を潰すかどうか少し迷った。結局タクシーで帰った。
普段の指名の傾向からすると完全に寄り道だったのに、次に空いている日を先に調べていた自分がいる。そういう夜だった。
残りの七十五分と、次に取るときの狙いは限定エリアで。