博多駅の東側で足が止まった夜
八月の火曜、仕事が思ったより早う終わった日のことばい。天神は駐車場を探すとが毎回面倒やけん、その日は地下鉄で博多駅まで出た。改札を上がった瞬間の、あのねっとりした熱気。福岡の夏はこれがいちばんきつかとよ。
ほんとは中洲で飲んだ後に決めるつもりやった。でもこの日は飲む前に腹を決めた。前から気になっとった看板があったけんね。「廃男コース専門店」——初めて見たとき、何のこっちゃ分からんかった。
店の名前は、わっしょい☆元祖廃男コース専門店 博多。名前からしてふざけとるやろ。ばってん、この名前でずっと続いとるっちゃけん、それなりに理由があるとやろうと思ったとよ。
エリアとしては博多駅の周辺が守備範囲。中洲みたいに看板がぎらぎらしとる場所やなくて、ビジネスホテルが並んどる、わりと素っ気ない一帯たい。出張で来た人が仕事帰りにふらっと動けるとが強みやろうね。地下鉄でも歩きでも足に困らんとがよか。
ゆりを指名するまでの話(わっしょい☆元祖廃男コース専門店 博多)
ここは写真を見て選ぶ形。俺みたいな優柔不断には正直ありがたか。フリーで飛び込む手もあったっちゃけど、初回で外したくなかったけん素直に指名した。
選んだのがゆり。二十四歳。
これが正解やった。
派遣型やけん、店舗の待合とかロビーはない。自分でホテルを押さえて、部屋番号を伝えて待つだけ。俺が取った部屋がエレベーターの真横で、人の出入りの音がずっと響いとった。完全に自分の失敗やった。次は奥の部屋にするったい。
で、待ち合わせの時刻きっかりにノック。この定時到着が、まず良かった。前に別の店で三十分近う待たされて、その間ずっとスマホの時計を見とった経験があるけん、余計にそう感じたとかもしれん。
和服が似合いそうな綺麗系やった
ドアを開けて最初に頭に浮かんだとが「あ、可愛い系やなかったばい」やった。悪い意味やなかとよ。可愛いより綺麗。黒髪で目元がすっと切れとって、和服を着せたら似合いそうな顔立ち。写真で想像しとったより、実物のほうが落ち着いた雰囲気やった。
「はじめまして、ゆりです」の挨拶から、コースの説明、歯磨き、シャワー。ここまでが全部淡々。世間話をだらだら続ける時間が一切ない。気づいたら五分も経たんうちに本編に入っとった。
この段取りの速さが、あとになって意味を持ってくるとよね。要は、余計なところに時間を使わん設計になっとるっちゅーことばい。六十分を六十分として使い切る気が最初からあるとが伝わってきた。
六項目、俺の点数を置いとくばい
ルックス ★★★★☆
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★☆
アソコ ★★★☆☆
感度 ★★★☆☆
性格 ★★★★☆
158センチでDカップ。数字だけ並べたら地味に見えるっちゃけど、腰から下のラインが細くて、脱いだときの印象は数字より上やった。数字は数字でしかなか、っちゅーことばい。
正直、ここは合わん人もおると思う
この店、コンセプトが振り切れすぎとる。ゆり本人も「素股はせん」「撮影もNG」と先に線を引いとって、その代わりに一点だけを極端に伸ばしてくる作りやった。あれもこれも全部欲しか人には向かんと思う。イチャイチャして甘い時間を過ごしたい、っちゅー目的で来ると完全に方向が違うけん、そこは先に分かっとったほうがよか。俺は逆に、その線引きのはっきりしとるとが好きやったけどね。何ができて何ができんとかを最初に言うてくれる店は、結果的に外れんとよ。
あと料金。俺が入ったとは六十分の廃男コースで、室料込みの一万七千円。安いほうやなかとは思う。五十分一万円のコースもあるけん、初回の様子見ならそっちからでもよかろう。
地元っ子として書いとく本音
終わったあとの見送りまで、店側も本人も段取りが一度も崩れんかった。到着の時刻から最後のお礼まで、全部きれいに揃っとった。こういうとは派手さがなかぶん、あとからじわじわ効いてくる。
帰りに駅の地下でごぼ天うどんを食って帰ったっちゃけど、正直、味がほとんど分からんかった。頭がまだ部屋に置いてけぼりになっとったとよ。店を出るころには雨が降り出しとって、傘も持たずに濡れて帰った。あの生ぬるい湿気まで、なんか記憶にくっついとる。
博多はよかとこばい、ってのが俺の口癖やけど、地元の店は当たりも外れも極端。そん中でここは「何をする店か」が最初から最後までぶれんかった。それだけでも指名して損はなかったと思う。
で、肝心の中身。「時間いっぱい」っちゅー言葉の意味を、俺はこの日まで完全に勘違いしとった。うわ、まじで、って声が漏れたとよ。
そこから先の話は、限定エリアに書いとくばい。
覚悟だけしとって。