金曜の夜だった。仕事が押して事務所を出たのが19時過ぎ、外は霧みたいな雨で、傘を差すほどでもないのに髪が湿る。北陸の夜はだいたいこういう降り方をする。
犀川を渡って片町へ
片町のスクランブルまではバスで一本だが、その日は歩いた。犀川大橋の上は風が強くて、コンビニで買ったホットのコーヒーを持つ手が寒い。八月の終わりにこれかね、と思いながら渡った。
金沢人妻倶楽部は、金沢市の繁華街から動かずに済むのがありがたい。デリヘルだから店舗に上がるわけではなく、こちらが先にホテルを押さえて部屋番号を伝えておく形になる。交通費のかからない提携ホテルが何軒かあって、そのうちの一つは大通りから一本入っただけの場所にある。土地勘がなくても道に迷うことはないと思う。
指名料は2200円。写真を見て選ぶ指名で、上のクラスの嬢には別枠のコースが用意されている。受付のやりとりは淡々としていて、押し売りめいた案内が一切なかったな。あとで分かったが、この店はそこが強い。
この街で遊ぶようになって長いが、当たりを引く確率はどうしても店の運用に引っ張られる。時間を守るか、無理な引き延ばしをしないか、嬢に妙な負担をかけていないか。そういうところが緩い店だと、どんなに良い子が在籍していても最後まで気が抜けない。逆に運用が丁寧な店は、外れを引いたときですら後味が悪くならない。若い頃はとにかく数を打っていたが、四十を過ぎたあたりから、当たり外れよりも一晩の後味のほうを気にするようになった。ここを選んだのは、その手の不安が薄そうだったからで、結果から言えばその読みは外していない。
部屋に入ってからは、ただ待つ。テレビを点ける気にもならず、窓の下の明かりを眺めていた。
ドアが開いて、最初の三十秒
目に入ったもの
時間ぴったりに部屋の電話が鳴った。この瞬間がいちばん心臓に悪い。受話器を置いてドアを開けると、ななおが立っていた。
158センチ、細い。プロフィールの写真は綺麗系に寄せてあったが、実物はもう少し柔らかい。色の白さは照明のせいではなかったな。髪は艶があって、動くたびに肩から滑り落ちる。Cカップという数字から想像するよりも、鎖骨から胸元にかけての線が丁寧だった。
目が合ったときの一瞬だけ、ほんの少し人見知りするような間があった。そのあとすぐ表情が開く。この落差が効くのだと思う。
「濡れちゃいましたね」と、こっちの肩を見て笑う。
第一声がそれか。気が抜けた。
触れてわかったこと
手を取ると、指が思ったより冷たい。外を歩いてきたんだな、と分かる冷たさで、そこから温まっていく過程が妙に生々しかった。
腕の内側の肌はもちもちしていて、少し力を入れると跡が残りそうで怖い。抱き寄せたときに、向こうから体重を預けてくる間の取り方がうまい。慣れているというより、こっちの呼吸を読んでいる感じだったな。
聞き上手だというのは座って五分で分かった。くだらない話をニコニコ聞いてくれるから、こっちが勝手に喋りすぎる。金沢は狭い街で、地元の話をすると必ずどこかで人が繋がるのだが、その相槌の打ち方がまた自然でな。喋っているうちに、初対面という感覚が薄れていた。
六項目の見立て
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★☆
アソコ ★★★☆☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
アソコが真ん中なのは、そこを売りにするタイプではないという意味で、悪いという話ではない。この子の価値は別のところにある。
この続きは限定に置いていく
ここから先、二人が何をどう始めて、どこまで行ったのかは、無料で読める場所に並べるものではないと思っている。書けば数字は伸びるんだろうが、それをやると、あの部屋の空気ごと安くなる気がしてな。
ひとつだけ書いておくと、この子は流れを作るのがうまい。こちらが構えているうちに、いつの間にか次の段階へ移っている。気づいたら残り時間が半分になっていた。
ひとつ言い添えるなら、この子は自分も楽しむ側に立っている。仕事として時間を埋めにきた人の動き方とは、体温の預け方からして違う。そこを勘違いして甘えすぎると、たぶん次はない。
具体的なところと、枠の取り方は投稿者限定のほうに置いた。
読みたい人だけ来ればいい。
ドアが閉まったあと
帰り際、玄関で靴を履きながら「また来週ね」と言われて、来週の予定も立てていないのに頷いてしまった。
外はまだ降っていた。片町の交差点でタクシーを拾おうか迷って、結局歩いた。ラーメンでも食っていくかとも思ったが、口に残っている感触を消したくなくてやめた。まじで、そういう夜がたまにある。
部屋の電話が鳴った瞬間からドアが閉まるまで、九十分。北陸の夜は静かなものだが、この日は帰り道の頭の中だけがうるさかったな。