北陸道を東へ
一月の頭、金沢は朝から湿った雪だった。除雪の入ったばかりの北陸道を東へ走らせて、富山市まで一時間と少し。ワイパーを一段速くしたまま、ずっと同じ速度で流していた。スタッドレスを去年替えておいて助かったな。
富山に来るのは久しぶりだった。
駅の近くで一度停めて、白えびの天ぷらが乗った蕎麦を食べた。飯を挟むと、雪道の運転で固まった肩がようやく下りる。窓の外は相変わらず降っていて、路面電車がゆっくり横切っていった。
店を決めたのは、その蕎麦屋の座敷でだ。RESEXY リゼクシー。富山市のデリヘルで、写メ日記を上から順に眺めていて、一人だけ手が止まった子がいた。それが、いるかという21歳の子だった。
北陸の夜は看板が少ない。金沢の片町みたいに人がぞろぞろ歩いているわけでもなくて、松川を渡って桜木町のあたりまで来ても、傘を差した人影がぱらぱらとあるだけだ。この静けさは嫌いじゃない。
デリヘルだから、こちらはホテルで待つ形になる。駐車場に車を入れて、部屋の暖房を強めにして、テレビの音だけ流しながら時間まで座っていた。
いるかという名前の子
ドアが開いた三秒
正直、日記の写真は疑っていた。最近はどこの店も加工が強くて、実物とは別人ということが珍しくない。ましてこの子は、目線もモザイクも入れずにそのまま顔を出している。あれで本人が来るなら大したものだ、くらいの気持ちで待っていたわけだ。
ノックがあって、ドアを開けた。
「はじめまして、いるかです」
写真のままだった。
加工で作った顔ではなく、目の形も、笑ったときの口元も、日記で見たとおりのものがそこにあった。三秒くらい何も言えなかったと思う。「おっ」と間抜けな声が出たのを、あとで自分で笑った。152cmでGカップというのは数字で見ると嘘くさいが、コートを脱いだら本当にその通りの形をしていた。まじで写真どおりに来る子は、そう多くない。
手のひらに残ったもの
ハグから入るのがこの子のやり方らしい。腕を回してきて、そのまましばらく動かない。肌がもちもちしていて、暖房で温まっているぶん余計に体温が高く感じる。香水はきつくない。シャンプーの匂いのほうが強かったかね。
「雪、大丈夫でした?」と聞いたら、「電車が止まらないか、それだけ心配で」と笑っていた。ずいぶん遠いところから出勤してきたらしい。北陸の一月に、そこまでして来る子はそういない。
話し方はゆっくりで、語尾がふわっと上がる。緊張しているというより、こちらの様子をうかがっている感じだった。こういう子はたいてい間の取り方がうまい。黙っていても気まずくならないというのは、それだけで技術だと思っている。
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★★
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
表で書けるのはこの辺りまで
困ったことが一つあって、部屋に入ってしばらくしてから、こちらが取ったコースと彼女が聞いていた中身が食い違っているのが分かった。結果として、二人でいられる時間はだいぶ短くなった。彼女に非があるわけではない。伝達の問題で、ここは店側の運用が甘いと言われても仕方ないところだな。流れ作業で終わり、という空気になりかけたのが惜しい。
素直に言えば、肌を合わせていた時間そのものは物足りない。
ただ、余った最後の三十分がやたら良かった。服を着て並んで座って、富山の話やら好きな食べ物やらを延々と喋っていた。差し入れはR1と水が嬉しい、なんて話まで出てきて、そこで初めて声を出して笑った気がする。20時を回ったころだったか、窓の外の雪がまた強くなっていた。
この店は特別指名料が2,200円乗る子がいて、いるかもその一人だ。写真を見て選ぶ形で、あとはホテルの部屋で待っているだけでいい。派遣先は富山市の中心部が主だと言っていた。
プレイの中身と、この子がどこまで受けてくれるのかは、限定エリアのほうに書いておく。ここに置くには、少し具体的すぎる。
部屋を出たあと
見送ってドアを閉めたら、部屋がやけに広く感じた。窓の外はまだ降っていて、駐車場の車がすっかり白くなっている。
帰りの高速は流れが遅かった。
結局、雪の日に会った子のことはよく覚えているものだな。
金沢に戻ったのは日付が変わるころで、片町の交差点だけが妙に明るかった。あの子は電車が止まる前に帰れたかね。