雨あがりの木曜、片町の外れで
八月の終わりの木曜だったな。夕方まで降っていた雨が上がって、アスファルトから湯気みたいなものが立っていた。金沢は夏の蒸し方が独特で、湿った空気が犀川のほうからゆっくり上がってくる。傘を畳んで、片町のスクランブルを渡った。
その日は仕事が早く片付いた。駅前から北鉄バスに乗って香林坊で降りて、あとは歩き。車内で汗が引かないまま、スマホの画面をずっと繰っていた。冷房の効きが悪いバスで女の子を選ぶという状況が、我ながら間抜けだったな。
正直に言うと、決め手はパネルではなかった。
金沢サンキューはこの界隈に受付を構えているデリヘルで、こちらがホテルを取って、あとは部屋で待つ形になる。電話口のスタッフは淡々としていて、指名の可否と時間だけ確認して切る。余計な世間話がないぶん気楽でよかった。
ホテルは繁華街から歩ける範囲で押さえてある。部屋番号を伝えてから到着まで二十分ほど、シャワーを浴びて、備え付けの湯呑みで茶を飲んで待った。この待っている時間がいちばん落ち着かない。テレビをつけても内容が頭に入ってこないので、結局消してしまった。
システムは本指名と写真指名が分かれていて、この子には特別指名料が二千円乗る。それでも九十分で一万七千二百円だから、片町で飲んで終電を逃すより安く済んでしまう。その計算を真顔でしている自分がいちばん情けなかったかね。
金沢サンキューのしおみと会った夜
ドアが開いてからの三秒
ノックが二回。開けたら、想像していた位置より三十センチくらい下に顔があった。百三十八センチと書いてあったのは読んでいたが、数字と実物は別物だな。下から見上げてくる角度がずるい。
「はじめまして、しおみです」
声は思ったより落ち着いていた。二十歳と聞いていたから、もっと甲高いのを覚悟していたぶん拍子抜けした。
この子は評価が真っ二つに割れるタイプだと思う。小柄でアイドル系だという言い方をする人もいれば、写真がすべてだと厳しく言う人もいる。実物を見た自分の感想を書くなら、写真より実物のほうが上だ。目が大きくて、笑うと目尻が下がる。パネルの振れ幅が大きい子は、たいてい実物のほうが得をする。
腕をとられたときの感触
荷物を置いて、こちらが上着を脱ぐより先に腕をとられた。手が小さい。指も短くて、握られるとぷるぷるした頼りない感触が残る。
肌は色白で、二の腕から肩にかけてがもちもちしている。百三十八センチの枠にDカップが収まっているというのは、要するに全部が小さい面積に詰まっているということで、抱き寄せたときの密度が普通の子と違ってくる。
香水はほとんどつけていなかった。石鹸の匂いだけ。
そこから先は限定のほうに置く
前置きの短い子だというのは、最初の三分でわかった。こちらが天気の話を振ろうとした横から、もう手が動いている。挨拶とプレイの境目がない。
大まかな流れだけ書いておくと、途中で一度一緒に風呂に入って、そこからまたベッドに戻る。その戻ってからが本領で、正直こちらの体力が先に音を上げた。荷物をひとつ余分に抱えて来ていたのも、後半になって理由がわかった。
どこをどう責められたのか、何を持ち込んできたのか、どこまで通ったのかは限定エリアのほうに書く。名前も店も出しているぶん、書く場所は分けておきたいからな。
六項目の評価はこう。
ルックス ★★★☆☆ 写真と実物の差が大きい。実物のほうが得
スタイル ★★★★☆ 小さい面積に全部詰まっている
おっぱい ★★★★☆ Dだが背が低いぶん見え方が大きい
アソコ ★★★★☆ 手入れは完全に済ませてある。締まりはきつめ
感度 ★★★★☆ 触られた場所で反応の出方がはっきり変わる
性格 ★★★★☆ 明るいが押しつけがましくない
タクシーを待ちながら考えていたこと
終わって、ホテルの前で車を待った。雨は完全に上がっていて、路地の奥から酔った声が二つ三つ聞こえていた。北陸の夜は、遊んだあとほど静かに感じる。
ひとつ文句をつけるなら、時間の配分がうまい子ではない。攻めが早いぶん、後半で自分の息が上がっている。こちらが少し休みたいタイミングと噛み合わない瞬間があったな。もっとも、それを含めて若さだと思えば腹も立たない。
帰りは歩いて近江町のほうまで出て、まだ開いていた店で冷やしうどんを食べた。汗をかいたあとの出汁が沁みたな。隣の席の観光客が金箔ソフトの話をしていて、それを聞きながら箸を動かしていた。
また呼ぶかね。たぶん呼ぶ。