四日市の駅前で三十分迷った末に
八月の金曜、仕事を早めに切り上げて近鉄四日市の駅前の駐車場に車を入れた。夕方でもアスファルトから熱が上がってきて、シャツが背中に張りついたままだった。
そこから三十分、店を決められずにスマホをいじっていた。名古屋まで出んでも遊べるはずやのに、いつも結局は高速に乗ってしまう。ただ往復で二時間、戻ってくる頃には日付が変わっている。その二時間をそのまま遊びに回したほうが得やに、と自分に言い聞かせて、地元のデリヘルを一軒ずつ見ていった。
そこで手が止まったのがドMバスターズ 三重・四日市店のななみだった。22歳、T156のEカップ。写真の笑い方が作ってなくて、そこが引っかかった。この手の店に自分から連絡を入れるのは初めてで、正直かなりビビっていた。指名料が3,500円上乗せになると知って一度画面を閉じたのに、十分後にはまた同じページを開いている。四十手前にもなって何をやっとるんやと思ったが、その日は止まらんかった。
四日市はコンビニと駐車場だけは多い街で、待ち合わせに使ったホテルまでは駅から車で数分だった。20時前に部屋に入って、案内はショートメールで届く形。部屋番号を先に伝えたら、あとは待つだけ。余計なやり取りがない分、こっちの緊張が逃げ場を失っていた。
システムは分かりやすい。誰でもいい人向けの枠と、写真を見て名前で選ぶ枠が分かれていて、後者には指名料が乗る。二回目以降に同じ子を選ぶとまた呼び名が変わるらしいが、初回の自分には関係のない話だった。コースは短いものから130分クラスのロングまで並んでいて、市内のホテルなら交通費も遠方扱いにはならない。この辺は名古屋の店とそう変わらん。むしろ、駅から動く距離が短いぶん、拘束される時間の総量では地元のほうが明らかに軽い。高速代とガソリン代を足して比べたら、同じ予算で使える時間が三十分は違ってくる計算になる。四日市に住んでいて名古屋まで通っていた自分が、ずっと損な引き算をしていたということやに。
ドアが開くまでの三十秒
頭の中でずっと言い訳していた
ノックの音がした時点で、心臓が耳の裏で鳴っていた。写真と違ったらどうする。会話が続かなかったらどうする。というか、この歳で初めてですと言うのは情けない。
そんなことばかり考えていた。
この期に及んで逃げ場はない。
口から出たのは天気の話だった
ドアを開けたら、思っていたより背が低くて、思っていたより笑っていた。で、自分が最初に言ったのが「今日、暑かったですね」。ほんとにそれしか出てこん。
向こうは吹き出して、「じゃあ先に涼みましょっか」と荷物を置きながら返してきた。人見知りをこじらせた男を一秒で見抜いていたと思う。そこから部屋の温度が一段下がったみたいに、肩の力が抜けていった。
そういえば飲み物を買い忘れていて、下のコンビニまで走ろうとしたら「大丈夫ですよ、持ってきてます」と止められた。こういう細かいところで一回ずつ助けられる。初めての人間がやりそうな失敗を、先回りで潰してくる感じだった。
六つの物差しで見たななみ
ルックス ★★★★☆
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★★
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
顔は派手さで殴ってくるタイプではなく、笑うと目が細くなる方向の可愛さ。肌がとにかく白い。Eカップは数字より大きく見える付き方をしていて、そのわりに腰から下は細かった。パイパンなのは事前の自己申告どおりで、そこに嘘はない。
シャワーに入る前と後で別人だった
驚いたのは段取りの良さだった。こっちが調子に乗って四日市と名古屋の店を比べる話を延々としていたのに、向こうはちゃんと時計を見ていて、いい所で「そろそろシャワー行きましょ」と立たせてくれる。話し込んで持ち時間が溶けるのが一番怖かったので、これは本当に助かった。
浴室が狭くて二人で入るには窮屈だったが、そこは向こうが体の向きを変えながら合わせてくれた。背中を流している間もずっと喋っていて、正直この時点ではまだ、よく笑う気さくな子、という印象しかなかった。
で、そこからが問題で。
完全に油断していた。
さっきまでケラケラ笑っていた子が、ベッドに座った瞬間に一変する。目の伏せ方も、手の置き方も、声の高さも変わる。まだ何をされたわけでもないのに、こっちが先に負けていた。骨抜きという言葉をこんな短時間で実感するとは思わんかった。
そこから先は書ける範囲を超えるので、限定エリアのほうに回す。
二十三号線を戻りながら
帰りに国道沿いのラーメン屋に寄って、伸びかけた麺をすすりながら考えていた。わざわざ名古屋まで行かんでも、四日市にちゃんとあったんやな、と。
不満がないわけではない。ホテルの空調が効きすぎていて、途中から普通に寒い。あとこれは完全に自分の問題だけど、緊張しすぎて最初の十分の記憶がほとんど残っていない。
それでも初回で「また来よう」と素直に思えた店は久しぶりだった。指名の取り方や料金の組み立て、どこまで付き合ってもらえたかは、限定エリアのほうにまとめてある。