島根から高速バスに乗った土曜の朝
松江の家を出たのが朝の8時だった。広島まで高速バスで4時間弱、この移動が毎回いちばんの壁になる。山陰じゃけん選択肢が少ない、というのは今さら言うことでもないけど、ソープに限れば思い当たる店が数えるほどしかない。広島まで出りゃあるけど、日帰りで往復すると一日が丸ごと消える。
それでも腰を上げたのは、女子寮本館の吉永さんのページを何日も開いては閉じてを繰り返しとったから。36歳、T153のスレンダー。写真の笑い方が営業用に見えんかったのが決め手だった。
ぶっちゃけ、ソープにはまだ体が慣れとらん。段取りを間違えて空気を悪くするのが不安で、行きのバスの中でも同じことばかり考えとった。他の県の人は「そんなもん行けば分かる」と言うんだろうけど、山陰から出る側は一回の失敗が重い。
腹が減っとった。
そういえば、広島駅で降りてすぐ駅ビルのラーメン屋に入った。真夏の暑い日に汗だくで食う汁なし担々麺は我ながらどうかしとる。腹をふくらませたせいで眠気まで来て、集合場所を探しながら少し焦った。
吉永さんと階段を上がるまで
店は薬研堀の路地にある。広島の繁華街のど真ん中で、昼過ぎでも人通りが途切れん。表から見た入り口は思ったより狭い。看板を二度確認して、深呼吸してから戸を押した。
頭の中でぐるぐる考えとったこと
受付に立っとったのは女性スタッフ。男の店員が出てくるもんだと勝手に思い込んどったので、これがまず予想外。料金を先に払って待合室へ通されるまでの間、頭の中は「間違えて別の子を頼んだことになっとらんか」でいっぱいになる。写真指名で入っとるぶん、実物と違ったときに顔へ出さん自信があるかと言われたら、それも怪しい。
待合室のソファに座って、膝が勝手に貧乏ゆすりしとった。
スマホで店のシステム欄を三回読み直した。読んだところで落ち着くわけでもないのに、手が勝手に動く。
逃げ帰る選択肢が、一瞬だけ頭をよぎる。
ただ、受付から案内まで動いてくれた女性スタッフの説明がとにかく丁寧で、こっちが何も分かっとらんのを前提に一つずつ区切って話してくれる。初めての店で緊張しとる人間には、この間の取り方がありがたかった。
実際に口から出た言葉
案内された先で顔を合わせて、口から出たのは「はじめまして、よろしくお願いします」だけ。用意しとった気の利いた一言は全部飛んだ。
先に「今日は暑かったでしょう、遠くから来られたんですか」と聞いてくれたのは向こうだった。ここで島根から来たと答えたのが、たぶんこの日いちばんの正解。一緒に階段を上がる短い間に、松江の話から仕事の話まで転がっていった。聞き上手というのはこういう相槌の打ち方をする人のことを言うんだと思う。こっちが言い淀んだところで先を急がせず、かといって黙り込ませもせん。部屋に入ってからも身の上話が続いて、松江の冬の話から前の仕事の話まで引き出された。気づいたら緊張の芯みたいなものが抜けとって、こっちが一方的に喋っとることにも途中まで気づかんかった。
見た目と体つきの覚え書き
ルックス ★★★★☆
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★☆☆
アソコ ★★★☆☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
153cmの細身で、派手さで押してくるタイプではない。目尻の下がった笑い方が写真そのままだった。むちむちとは正反対の体つきで、立ったときの腰から下のラインがきれいに出る。上品でおとなしい、という店側の書き方は誇張ではない。喋り出すと表情がころころ変わるので、写真から受ける静かな印象より実物のほうが賑やかだった。年齢を隠す気がないのも好きだ。
湯気の中で緊張が抜けていった
建物は正直に言って古い。廊下も階段も相応に年季が入っとる。
ただ中に入ると印象が変わって、部屋そのものが広い。風呂も大きくて、二人で入っても窮屈にならん。山陰の店でこの広さはまず出てこんし、ここだけで移動時間の元が半分取れた気になった。畳の目まで数えられそうな明るさで、逆にこっちが落ち着かん。
先に洗ってもらいながら、まだ肩に力が入っとった。それを見て「そんなに硬くならんでええですよ」と笑われて、やっと息が吐けた。湯を張った浴槽の縁に並んで腰かけて、そこでも喋っとる。段取りを間違えたらどうしようという心配は、この時点でもう頭から消えとった。広い風呂というのは、それだけで人の緊張を溶かす装置なんだと思う。
ここから先は、時間いっぱい一つも手を抜かん人だったとだけ書いておく。気遣いの向く方向が、決まった手順をこなす側じゃなくて、こっちの反応を見て変える側に振れとる。やばい、と声が出た瞬間が一度あった。
帰りの高速バスで考えたこと
外に出たらまだ日が高い。
コンビニでアイスコーヒーを買って、バスセンターまで歩いた。強い西日で首の後ろがじりじり焼けて、それすらどうでもよくなる程度には満たされとった。
4時間の移動を差し引いても、また来ようと思える一日だった。山陰から広島まで出るのは正直遠いけど、遠いなりに元は取れた感覚がある。初めてのソープでここに当たった人は運がええと思うし、逆にここを基準にしてしまうと他が物足りなくなる危険もある。
移動時間は無駄じゃない。
山陰で似た条件の店を探そうとすると、そもそも母数が足りん。だから遠征そのものを楽しみに変えるしかないんだけど、この日は移動時間を思い出さんくらいには中身が詰まっとった。バスの窓から中国山地を見ながら、次はいつ休みを取れるかを数えとった。
この日の中身と、吉永さんを指名するときのコツは限定エリアに書いた。