小倉から中洲一丁目まで下りた火曜
八月の中洲は、地下鉄の階段を上がった瞬間に空気が違う。小倉から電車で四十分ちょっと、博多で乗り換えて一駅。たったそれだけの移動やのに、地上に出た時点で背中に汗が張りついた。まじで暑い日やった。普段の俺は小倉から動かん。この辺は探せばちゃんと当たりが出るけ、わざわざ福岡市まで下りる理由がなかったし、北九州を馬鹿にすんな、と地元の飲み仲間には言い続けとる。それでも今回だけは火曜の午後に休みを取って出てきた。中洲一丁目に構えとるホットポイントヴィラという店に、どうしても会うておきたい人がおったけ。
川端側から歩いて数分の入口
中洲は川に挟まれた細長い島みたいな街で、南の端が一丁目にあたる。地下鉄の中洲川端で降りて、キャナル方面には向かわず、那珂川の橋を背にして南へ徒歩で数分。夜はネオンと呼び込みで賑やかになる通りやけど、昼過ぎはまだ静かで、シャッターが半分閉まったままの店も並んどる。建物の入口は拍子抜けするくらい地味で、看板は小さく、雑居ビルの階段を上がる形になっとる。
初見やと一回通り過ぎる。俺も通り過ぎた。
受付の会話と、部屋に通されるまでの段取り
受付は明るくて清潔感がある。待合は広くはない、というかはっきり狭い。ソファが二つと自販機、あとは雑誌が数冊置いてあるだけやった。ただ他の客と鉢合わせせんように時間をずらしとるらしく、俺がおった間は誰とも顔を合わせんかった。システムは在籍から選ぶ指名制で、写真とプロフィールを見て決める形になっとる。決めずに入る人もおるらしいが、この店に関しては目当てを固めてから行くほうがええ。案内のスタッフが「初めてですよね」と確認してきて、コースの流れとシャワーの位置まで一通り説明してくれる。淡々としとるけど雑ではない。
部屋に通されて、荷物を置いて、備え付けの水を一口。到着から十分もかかっとらん。段取りだけで言えば、小倉にも見習ってほしい店がいくつかある。
宝生 かなという人の輪郭
扉が開いて、最初に目に入ったのが着物やった。和装で出迎えられるとは思っとらんくて、正直ちょっと固まってしまう。この業種でそれなりの数は遊んできたつもりやけど、この入り方は初めて。帯の色まで季節に寄せとるあたり、雰囲気の作り込みが本気なんやろう。
そして、写真で見とったよりずっと小柄。
158と聞いとったが、体感はもう少し小さく感じる。ただ小柄なぶん腰の細さと脚の比率が目立って、立ち姿がきれいやった。三十八歳という数字を先に知っとると身構える人もおるかもしれんが、実物を見たらその心配は消える。何より驚いたのが会話のほうで、座って三分もせんうちに初対面という感覚が消えとった。声の出し方が明るくて、こっちの話を拾うのが上手い。緊張しとった俺のほうが先に笑わされて、そこから肩の力が抜けた。打ち解けさせる技術としか言いようがない。癒されに来たはずが、気づいたら自分の仕事の愚痴まで喋っとった。
ルックス ★★★★★ 写真より実物が上に来る珍しい人
スタイル ★★★★☆ 小柄やけど均整が取れとる
おっぱい ★★★★☆ Dの柔らかさが手に残る
アソコ ★★★★☆ 清潔で匂いも気にならん
感度 ★★★★☆ 反応が素直で分かりやすい
性格 ★★★★★ ここが最大の武器やと思う
和装をほどくところまで
シャワーを浴びて戻ると、部屋の灯りが少し落としてあった。「着物のままがよかった?」と笑いながら聞かれて、返事に詰まる。
答えは言うまでもない。
そこからは、こっちが何かを要求する前に距離が縮まっていく。腕に指を絡ませる、耳元に息を落とす、額をくっつけて目を合わせる。順番が組み立てられとるのに作業感がまったく無い。手順ではなく流れになっとる、という表現がいちばん近い。ここから先は限定エリアに書いた。名前も店も出しとる以上、無料の側に全部並べるわけにいかんけ。
帰りの車内で考えとったこと
終わって外に出たら、まだ日が高かった。川沿いを歩いて、屋台が出る前の静かな時間帯を抜けて、駅前でラーメンを一杯。替玉まで頼んで、そのまま電車に乗った。座席で考えとったのは、小倉にもうまい人はおるけど、この人の場合は接客の設計がひとつ抜けとるということ。技術の巧拙より前の段階で、客の警戒心を落としにかかっとる。三十分喋っただけで指名の理由が分かる人は、そう多くない。
そこが強い。
ただ、こっちが受け身に慣れすぎると物足りなさを覚える瞬間はあるかもしれん。ずっと気持ちよくさせてもらう形になるけ、自分から動きたいタイプは最初に一言伝えたほうがええと思う。