前日の夜、電話口でそう聞かれた時点でもう勝負は決まっていた。在籍のページを眺めていて手が止まった子がいて、止まった理由を自分でわかっていたからだ。胸。それだけ。他の情報は後から読んだ。
当日は火曜。家を出て五分歩いたところで財布を持っていないことに気づいて、走って戻った。この時点で予定より遅れて、送迎車を一本見送ることになった。次の便を待つ十五分、スマホで在籍ページをもう一回開いて、同じ写真を見ていた。われながら効率が悪い。
店に着くと受付が滑らかで、待たされる感覚がなかった。エグゼは箱として気持ちがいい店だ。案内されて階段の下に立ったとき、視界に入ったものを正確に書くと、まず顔、次に胸元、そのあとにドレスの色だった。順番が正直すぎるのは許してほしい。
つぼみの胸を、ちゃんと言葉にしておく
ドレスから溢れていた時点で
腕を抱きかかえられるようにして、お互いの腰に手を回した恰好で部屋へ向かった。この体勢だと歩くたびに横から当たる。当たっているのはこちらの二の腕で、当てているほうは無自覚だ。階段を上がりきるまでのあいだ、こちらは完全に無言だった。喋ると声が上ずるとわかっていたからだ。
顔は本当に幼い。二十歳と聞いていなければ疑うレベルで、そのまま大学に通っているというのだから世の中は不公平にできている。その顔の下に、この大きさが付いている。ミスマッチというより、設計ミスに近い。
ドレスは胸元が深く開いたタイプで、しかも生地が張り切れそうになっている。あれは本人のサイズに合わせて選ばれた服ではなく、店にある中でいちばん耐えられそうなものを選んだ結果だと思う。歩くたびに揺れ幅が大きい。前を歩くスタッフが一度も振り返らなかったのは、たぶん職業的な訓練の成果だ。
形が崩れていない、という事実
おっぱい星人として言わせてもらうと、大きさだけを誇る子は珍しくない。大事なのは、横になったときに位置が変わるかどうかだ。大きい子ほど流れる。それが普通だ。
つぼみちゃんは流れなかった。
下着を外したときにぷるんと出てきて、そのあと形が保たれたままだった。乳輪は薄いピンクで、中心の突起も同じ色。触ると柔らかいのに、指を離すと戻る。柔らかさと張りが両立している状態で、これを言葉にするのがいちばん難しい。手のひらに残る重さで言えば、たぷん、という一語がいちばん近い。やべえ、と口から出た。
部屋のエアコンが効きすぎていて、こちらは途中から鳥肌が立っていた。それでも触るのはやめなかった。
観測結果を先に言っておく
部屋に入って挨拶をしたあと、隣に腰かけてきた。甘さと色気が同居していて、この距離の詰め方は経験の差ではなく性格だと思う。ごく自然にキスが始まって、舌が絡んで、お互いの手が体を擦る。恋人同士みたいだと書くと安っぽいが、実際その空気だった。
面白かったのは、こちらが緊張しているのを本人が完全に見抜いていたことだ。手が止まったタイミングで先に触れてくる。そこで会話を差し込むのではなく、黙って続ける。喋らせて場を持たせるタイプではなかった。この判断が二十歳のものとは思えない。
「あん、おっきい」
鼻にかかった声でそう言われて、こちらの理性が半分消えた。ここから先の観測記録は限定公開のほうに全部置いてある。胸をどう使われたのか、何回付き合わされたのか、そっちに書いた。
結論だけ先に言う。当たりだ。この胸は在籍ページの写真より実物のほうが上で、そういう子はそう多くない。
帰りは送迎車を使わず歩いた。夕方の吉原はまだ明るくて、財布を確認する癖がついたのがこの日の唯一の成長だった。