三度目の西川口、駅前で足が止まる
金曜の仕事帰り、予定より一時間押した。JRの電車を降りて改札を抜けると小雨が降っていて、傘を買うのが面倒だったのでそのまま歩いた。西川口の駅前は看板の色がとにかくうるさくて、初めて来た日はここで引き返そうかと本気で考えたくらいだった。今はもう、その色の並びを目印にして歩いている。
萌えカワは駅から歩いてすぐの場所にある。道はほぼ一本で、迷う要素はない。前回は駅の出口を間違えて十分近く遠回りしたけれど、今回は迷わなかった。途中のコンビニで水だけ買って、飲み切ってから受付に上がった。
指名は裏切らない。この一年でいちばん高くついた学びが、それだった。
そういえば、初回はフリーで入るつもりだった。順番待ちの都合でたまたま名前を選ぶことになって、写真の中でいちばん地味に見えた子を選んだ。派手なパネルの子ほど部屋での落差が大きいというのが、この街で何年か遊んで得た結論だったからだ。結果として、その選び方は今のところ外していない。
黒髪ロングと、好きな作品の話
受付から部屋に入るまで
予約の時間ちょうどに着いて名前を伝えると、すぐ通してくれる。ここのスタッフは手際がよくて、余計な世間話をしてこないのがありがたい。待合は椅子が並んでいるだけの簡素なつくりで、正直、少し狭い。それでも他の客と鉢合わせしないように時間を割り振ってくれているのか、待っている間はだいたい一人だった。
五分ほどで呼ばれて部屋へ。指名は写真から選ぶ形で、通い慣れてくると顔ぶれの入れ替わりでその日の当たり外れがなんとなく読めるようになる。三回目の本指名ともなると、扉が開く前から今日の機嫌まで想像がついてしまう。
目に入ったもの
黒髪のロングが肩から胸元へ落ちていて、部屋の照明の下だとその黒が余計に濃く見えた。顔立ちは、可愛い側に振り切っている。二十歳という数字が嘘に見えないのは、笑ったときに目尻が下がるからだと思う。
写真より実物のほうが得をしているタイプだった。
「またお会いできましたね」と先に言われて、こっちが少し焦った。前回は向かい合って座るまでに数分の距離があったけれど、今回は最初から隣に腰を下ろしてくれる。この差が、指名を重ねるということなんだと思う。
手の温度と、話の速度
手を握られたとき、指先だけが冷たかった。エアコンが効きすぎていて、部屋そのものが寒いくらいだったから当然かもしれない。
会話は好きなアニメの話から転がりはじめた。ふだんはおっとりした話し方をするのに、作品の話になると急に単語の速度が上がる。挙がったタイトルが想像していた路線と全然違っていて、そこがいちばん面白かった。癒し系という一語で片づけるには、中身がちゃんと雑食だった。
前の仕事は会社員だったらしい。夜の仕事に慣れていない子の受け答えは、たいてい間が空くか、逆にマニュアルみたいに滑らかになるかのどちらかだけれど、この子はどちらでもない。黙る時間があっても気まずくならないのは、こちらの話の終わりを待ってから口を開くからだと途中で気づいた。初回はそれを愛想がないと勘違いしていたので、こちらの読み違いだったことになる。
三回目でようやく本領発揮、というのはこういう瞬間のことを指すのだと思っている。
六項目でつけた点
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★☆☆
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★★
性格 ★★★★★
胸は小ぶりで、大きさではなく形で見せるタイプ。そこを期待して指名する相手ではないし、自分はそこを見ていない。ウエストの細さと脚のラインのほうが、写真より実物のほうが上だった。
書き切れなかった続き
服を脱いでからのことは、ここには書かない。全部書いてしまうと限定側に残すものがなくなる。ひとつだけ言えるのは、前回はこちらが動くまで待っていた場面で、今回は先に手が伸びてきたということ。回数を重ねると、間合いの取り方がはっきり変わる。
もうひとつ。初回と二回目は時間が余って気まずくなる場面があったのに、今回は逆に足りなかった。話し込んだせいでもあるし、こちらが急がなくなったせいでもある。同じコースを選んでいるのに体感の長さがこれだけ変わるのは、たぶん距離の詰まり方が変わったからだと思う。
名前もお店も出したけれど、部屋の中で何が起きたかと、この子を指名するときのコツは限定エリアのほうに書いた。
扉が閉まったあと
傘は結局、買わずに済んだ。
帰りは駅前のラーメン屋に寄って、スープを残して出た。土曜になる前に家へ帰れたのは久しぶりだった。次に会うときは何を話そうかと、電車の座席で考えている時点で答えは出ている。