夜勤明けで静岡まで走った
金曜の朝、六時半に工場を出た。二交代の夜勤明けというのは、頭の芯だけ変に冴えていて体は鉛みたいに重い。浜松は前の晩に降った雨が上がったばかりで、駐車場のアスファルトがまだ黒くぬれていた。
そのまま帰って寝ればいい話だった。
寝なかった。
悪い癖だ。
ただ、前の週から気にしていた子の枠が、その日の深夜に一つだけ空いていた。風俗の神様静岡店という、静岡市に構えているデリヘルの子だ。工場の近くにも遊べる店はあるのに、この子のためだけに東名を一時間走ることにした。三時間だけ仮眠を取って、夕方に家を出ている。
深夜の街と、案内までの二十分
静岡駅の北口あたりは、二十三時を回ると人の流れが急に細くなる。呑み屋の看板はまだ生きているのに、歩いているのは終電をあきらめた組ばかり、という時間帯。ホテル街のコインパーキングはどこも区画が狭い。うちの車を入れるのに二回切り返して、その時点でもう軽く疲れた。
デリヘルなので店舗に出向くわけじゃない。こっちが部屋を押さえてスタッフに部屋番号を伝えると、そこから女の子が向かってくる形になる。指名は掲載写真から選ぶ方式で、写真の子がそのまま来るかどうかは、正直この業種だと扉が開くまで分からない。フリーで入る手もあるが、静岡市まで一時間走ってきてそれをやる度胸は自分には無かったので、最初から指名で押さえている。深夜の枠は数が少ないぶん、掲載に出ている在籍の中でも動ける子は限られるらしい。
この日は百分の枠で、支払いは19,800円。部屋代は別で自分持ちだった。
深夜帯なのにスタッフの受け答えがだるそうじゃなかったのは覚えている。ホテルの入り方が分からないと聞いても面倒がらない。案内までの待ちは二十分ほどで、コンビニで買ったコーヒーを一本空け終わる前に扉が鳴った。
扉を開けたのはツインテールの21歳
第一声が「わ、遅くなってすみません!」で、そこで一回力が抜けた。二十一歳、身長158センチ。細い。腕も脚も掴んだら折れそうなのに、姿勢だけはやたらといい。前の仕事が営業だったと聞いて、なるほどと思っている。髪はツインテールに結んでいて、私服の上からでも肩のラインが華奢なのが分かる。清楚という言葉は安易に使いたくないんだが、他に当てはまるものが浮かばなかった。
耳が弱いらしい。
そこは覚えておいた。
そういう話を、シャワーの前の雑談でぽろっとこぼしてくる。喋りが上手いというより、こっちの間に合わせるのが上手い。夜勤明けの頭でぼんやりしている相手にちょうどいい速度で話してくれるから、黙っても気まずくならない。これがまじで助かる。
触れた指にいちいち反応する子
ベッドに移ってからは、こっちが動くより先に向こうが寄ってきた。密着したまま、耳のそばで息だけ小さく漏らす。首筋に指が当たった瞬間に肩がビクビク跳ねて、それがわざとらしくない。自分は受け身に回るほうなんだが、この日はそれで正解だった。
ルックス ★★★★★
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★☆
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
胸はBカップで、大きさで殴るタイプじゃない。ただ形がきれいで、細い体に対しての収まりがいい。素人っぽさというのは、結局こういう部分のことなんだと思う。途中で冷蔵庫の水を出して、二人でコンビニ袋のからあげ棒をかじった。深夜にこれをやると背徳感がすごい。夜勤明けの胃には正直重かったが、笑いながら食べているところが一番かわいかったかもしれない。
コスプレも頼んでいて、着替えて出てきたところで一回止まった。制服にニーハイ、髪はツインテールのまま。二十一歳が着ると、こういうのは冗談抜きで本物に見える。
東名を戻りながら考えていたこと
帰りの高速は空いていて、浜松まで一時間かからなかった。窓を開けても風がぬるい。八月の夜は静岡でも暑いままだった。
それでも機嫌は悪くない。
癒し度でいえば、ここ一年で入った中では上のほうだった。技術がどうこうより、こっちの疲れ方に合わせて速度を変えてくるのが大きい。話す時間を短めにして、その分を体に触れる側へ回してくれた配分も、夜勤明けの人間にはありがたい。工場の近くで済ませていたら、たぶんこの感じには当たっていない。二十一歳と聞いて身構えていた部分もあったんだが、若い子にありがちな作業感が最後まで無かったのが一番大きかった。
きつかったのは、むしろこっちの体力のほうだ。夜勤明けで一時間走って、深夜に百分。終わって車に戻った時点で瞼が落ちかけていて、サービスエリアで三十分寝てから帰っている。情けない話だ。
部屋の中でどこまでどうなったのか、それと指名を通すときのコツは、限定エリアのほうに書いた。名前も店もここに出してあるので、隠すのは中身だけだ。