九月最初の金曜、マット目当てで枠を取った
吉原に通い始めて十年になるが、店の見立ては今もマットの出来だけでやっている。ベッドがどれだけ良くても、マットが雑な店には二度目がない。乱暴な物差しだとは自分でも思うんだが、これで大きく外したことはあまりなかった。
ティンカーベルが引っかかったのは、洗い場が得意だと書いてある子が何人も並んでいたからだ。その中でひびきさんにしたのは、出勤の並びがこちらの動ける時間と噛み合ったという、それだけの理由になる。九月に入ったばかりの金曜、仕事を午後で切り上げて電車に乗った。
下調べに時間をかけた日ほど、拍子抜けして帰ることが増えてきた。
まだ暑い日が続いていて、駅から徒歩十五分でシャツが背中に貼りついた。そういえばこの辺にラーメンの旨い店があったなと思い出して寄ってみたんだが、外まで並んでいたので諦めた。結局コンビニで水を買って、店の前で汗が引くのを待った。
部屋の戸が開いた、最初の三十秒
階段を上がって名前を呼ばれ、戸が開く。出てきた子は、サイトで見ていた顔とは違った。写真はきりっとした系統で、こちらもその線で組み立てるつもりで来ている。実際は輪郭がやわらかくて、笑うと目が細くなるタイプだった。
ラランドのサーヤを一回り小さくした感じ、と言えば伝わるだろうか。
正直に書くと、最初の数秒は不安が出た。自分の好みは顔立ちのはっきりしている方で、その日の頭も完全にそっち向きだったからだ。写真と印象がここまで動く店は久しぶりで、少し身構えたのもある。ただ、この身構えは十分後には形が残っていなかった。
見立てが崩れたのは、こちらが服を脱ぐ前だった
会話が始まって一分も経たないうちに、用意してきた段取りは全部いらなくなった。「今日はぜんぶ任せてもらっていいですか」と先に言われて、そこから退室まで主導権がこちらに戻ってくることは一度もない。断る隙もなかったし、断る気にもならなかった。
十年やっていて、入室三分で自分の手順が丸ごと不要になった日は記憶にない。
洗い場の椅子から、最後までこちらは動かされる側だった
流れとしては、泡で洗われて、椅子に座らされて、そのままマットへ移る。ベッドに上がる時間はほとんどなかった。洗い場でここまで長く粘る子は、この街でもそう多くないと思う。
泡の段階からして丁寧だった。背中を流されている間もずっと手が止まらず、洗っているのか触られているのかの境目がない。シャワーの温度を何度か聞かれて、そのたびに手は動いたままだ。ここで先に体温を上げてから椅子に移す組み立てなんだと思う。あとから振り返ると、この時点でもう完全に向こうのペースに入っていた。自分がやったことといえば、言われた向きに体を回したくらいのものになる。
椅子に座らされてからが本題だった。とにかく手数が多い。前から後ろから、位置を変えながら休みなく手が動いて、こちらが次に何をされるか読める瞬間が来ない。ローションをわざわざ温めてから使うので、肌に落ちてきたときの温度差でびっくりすることもなかった。ぬるぬるした感触が途切れないまま、椅子の背にもたれて息をしているだけの人間になっていた。時計を見る発想がそもそも消えていて、あとから思い返すとこの椅子だけで二十分以上使われている。
途中で椅子の下に潜り込まれた。あれをやる子は吉原でも限られるし、やる子でも一度形を見せて終わることが多いんだが、この人は潜ったまま時間をかけた。竿も玉も、後ろの方まで順番に回ってくる。ねっとりした動きで、とにかく急がない。「もう少しだけ我慢してくださいね」と下から言われて、まじで動けなくなった。
ただ、ここは正直に書いておく。全体としてマッサージ寄りの気持ちよさが多い。自分はフェザータッチでゾクゾクさせられるのが好きな人間なので、その意味では物足りなさが残った。技術が低いという話ではまったくない。単純に、向いている方向がこちらの好みと噛み合わなかっただけだ。
マットに移ってからは、また別の顔が出てくる。そこから先は限定側に回す。
帰りの交差点で、しばらく立ち止まった
上がって着替えて、店を出たのはまだ日が落ちきる前だった。この時間の吉原はやたら静かで、暑さだけが残っている。
満足したかというと、した。ただ自分が想定していた満足の仕方ではなかった。マットで採点する癖のついた人間が、洗い場の椅子の記憶ばかり持って帰ってきたわけだから、交差点で信号を待っている間ずっと据わりが悪かった。
上野で降りて、一杯だけ飲んでから帰った。整理がつくまでにそれくらいかかった。
十年の物差しでは測れなかった
会話は程よく明るくて、こちらが黙っていても場が重くならない。自分から攻めたい人、回数にこだわる人には合わないと思う。逆に、全部預けて動かされたい日に当てるなら、これ以上ない相手だ。
ルックス ★★☆☆☆
スタイル ★★★☆☆
おっぱい ★★★☆☆
アソコ ★★★☆☆
感度 ★★★☆☆
性格 ★★★★☆
アソコの欄が中途半端なのは、こちらが受け身に回りっぱなしだったせいで記憶が薄いからだ。持って帰ってこられなかった、というのが正確なところになる。
マットに上がってから何をされたか、最後がどうなったか。それとコースの選び方と枠の取り方については、投稿者限定エリアにまとめてある。