松山の路地裏にある華〜club hana〜のこと
松山は那覇の夜がぜんぶ集まってる場所で、国際通りから歩いても十分かからない。キャバもスナックもデリヘルの事務所も、同じ雑居ビルの階を分け合って同居してる。俺は仕事帰りにこの辺をうろつく癖があって、久茂地川沿いを一周してから店を決めるのが習慣になってるさー。
華〜club hana〜は、その松山の空気にちゃんと馴染んでる店だった。
派手な看板で人を呼ぶタイプじゃない。知ってる人が静かに使ってる、そういう位置づけの店だと思う。デリヘルだから店舗に行くわけじゃないんだけど、スタッフの対応からして妙に落ち着いていた。
ホテルに着くまでの道のりと、その日の空
行ったのは八月の平日、夜というより夕方寄りの時間帯。台風が抜けた直後で、風がまったく無いのに暑い。湿気だけが街に居残ってるような夕方だった。松山界隈はホテルが密集してるから、どこに入っても大外れはしない。俺はいつも使う一軒に入って、先にシャワーだけ済ませた。
ただ、その部屋が思ったより狭い。おまけにエアコンが古くて、風量を最大にしても効きが悪かった。汗が引かないまま人を待つのは、この季節の沖縄あるあるだよ。
那覇の街は徒歩とタクシーだけで完結するから、移動という点だけは本土の繁華街より気楽かもしれない。
受付のやり取りと、部屋で待った十数分
受付のスタッフは早口じゃなくて、コースの区切りと延長の考え方をひと通り説明してくれた。「ご希望があれば先に伝えておきますよ」と言われたので、決めていた内容をそのまま託した。写真指名ができて、指名料の扱いも最初にはっきり出してくる。そこを濁されないだけで安心感がぜんぜん違う。
俺が取ったのは九十分。室料は別で、二万二千円だった。沖縄のデリヘルとしては飛び抜けて安くも高くもない、ちょうど真ん中の帯だと思う。
待ってる間、テレビをつけたら夏の高校野球の再放送をやっていて、それを半分見ながら時間が過ぎた。到着は伝えられた時刻きっかり。この几帳面さは、うちなーの店にしては珍しいくらいだった。
月島かなこという44歳の第一印象
ドアを開けたら、思っていたより背が小さくて、思っていたより肌が明るかった。155センチで、ヒールを脱いだ瞬間に目線がすとんと下がる。四十四歳と聞いていたけど、首も手の甲も年齢が出るところが出ていない。腕に触れたら、もちもちして張りがあった。
「はじめまして。緊張してます?」と先に言われて、こっちの肩の力が抜けた。
笑うと目が細くなるタイプで、写真より実物のほうが柔らかい。話し方は明るくて、言葉は方言に染まっていない標準語寄り。前は本土にいたのかもしれないな、と勝手に想像していた。
胸はプロフィールどおりのFで、服の上からでも輪郭がはっきり出る。ただ、この人の本当の武器はサイズじゃなかった。雰囲気を切り替える速さのほう。それは後半で嫌というほど思い知ることになる。
ひとつだけ気になったのは、最初に交わしたハグの力加減。そこだけは少しぎこちなかった。距離の詰め方をまだ探っている手つき。むしろ正直な人なんだと思う。
ここまで書いておいて何だけど、部屋に入ってからの十五分くらいは、ただの気持ちのいい世間話だった。やばい、この人ほんとに接客がうまい。そう思ってるうちに時間が溶けていく。
ルックス ★★★★☆
スタイル ★★★★☆
おっぱい ★★★★★
アソコ ★★★☆☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
ドアが開いてから、俺が黙った話
会う前にひとつだけ設定を決めて渡していた。事前に擦り合わせておくと、部屋に入った時点から役が始まるらしい。実際、シャワーを済ませて戻ってきた彼女は、さっきまでの人当たりの良さをどこかに置いてきていた。
声のトーンがひとつ下がる。
視線の角度が変わって、それだけで部屋の温度がひとつ下がったのが分かった。そこから先、俺が主導権を握れた時間はほとんど無い。うちなーの店はそれなりに回ってきたつもりだったけど、ここまで作り込んでくる人には初めて当たった。四十四歳という数字を見ただけで候補から外している人がいるなら、それは相当もったいないさー。役に入ってからの間の取り方は、こっちが何を返しても崩れない。二十代の子に同じことをやってもらっても、たぶんこうはならないと思う。
悪かった点も一応書いておく。序盤の会話が少し長くて、九十分のうち十分近くは雑談に消えた。楽しかったから俺は文句を言う気にならないけど、時間で買っている以上は気になる人もいると思う。
中身は限定エリアに全部置いた。頼んだ設定の中身、途中で立場が入れ替わったこと、最後どうなったかまで。
うちなー目線での正直なところ
沖縄は独特で、観光客向けに回っている店と、地元が静かに使ってる店がはっきり分かれる。ここは間違いなく後者。
帰りに泊の市場のそばでソーキそばを食って、汁を飲みながら「さっきのは何だったんだ」と一人で反芻していた。松山でこの手の当たりを引くのは、そんなに頻繁じゃない。