吉原に足が向いた木曜の夜
木曜の仕事帰り、打ち合わせが早く終わりました。日比谷線でそのまま帰るつもりだったのに、気がついたら三ノ輪で降りていた。悪い癖です。
真夏の吉原は、日が落ちても路面が熱を持ったままです。歩いているだけでシャツが背中に張り付いてくる。暑い夜に、空調の効いた高級店へ逃げ込む口実を探していただけ、と言われればその通りですかね。
この日は久しぶりに枠が取れていました。王室の藍染さん。名前だけは前から知っていて、それでも空きを見たことがない方です。私も四度は空振りしています。
王室の扉をくぐってからの百二十分
部屋に入ってきた人
通された部屋は、吉原の中でも上のほうに属する造りでした。調度の趣味が統一されていて、照明の落とし方に意図がある。玄関からベッドまでの導線に無駄がなくて、こういうところで格が違うと感じます。ロッカーだけは狭いのですが、それはご愛嬌ということで。
ドアが開いて、最初に目へ入ったのは顔ではありませんでした。品のない書き方で申し訳ないのですが、事実そうだったので仕方がない。白いドレスの内側で、布地が明らかに仕事を放棄していました。
「はじめまして、藍染です」
声は想像より低くて、落ち着いています。顔立ちには手を入れている方だと思いますし、好みは分かれるでしょう。私も最初の数秒は判断を保留しました。ただ笑うと目尻が下がる。写真より実物のほうが柔らかい人でした。
ルックス ★★★☆☆
スタイル ★★★★★
おっぱい ★★★★★
アソコ ★★★★☆
感度 ★★★☆☆
性格 ★★★☆☆
湯を使ってからベッドに移るまで
すぐに横になる流れではありませんでした。まず湯で軽く流してから、という段取り。私はこの順番のほうが好きです。待ち時間に似た、焦らされる感覚が残るので。
洗い方は丁寧でした。手のひら全体を使って、背中から腰へ下ろしていく。指先だけでなぞる方も多い中で、ここは差が出るところですかね。泡がぬるっと滑って、肩甲骨の間を何度も往復しました。
「お背中、こってますねぇ」
ここで少し戸惑いました。口調が急にくだけて、語尾が伸びる。年上の女性のような言い回しが出たかと思えば、その数秒後には「そうでしゅね」と幼い音が混ざる。振れ幅が大きくて、最初の三十分はリズムを掴めませんでした。慣れれば愛嬌なのでしょうが、私は少し身構えてしまった。
湯船で向かい合ったとき、彼女の身体が浮きました。比喩ではなく、物理の話です。本人いわく天然だそうで、そう言われると疑う気にもなりません。むちむちという言い方が世の中にはありますが、この方の場合は胸だけが別の生き物として独立している。
ベッドに移ってからは、時間の使い方が上手でした。急がない。舌の当て方に強弱があって、こちらの反応を見ながら圧を変えてくる。口を使うサービスは技術というより集中力の話だと私は思っていますが、彼女は途中で一度も気を抜きませんでした。
胸を挟んでもらう時間は、他店で同じものを受けられる気がしません。容積が違うので、できることの選択肢がそもそも多い。ぷるぷると揺れるというより、重さがゆっくり移動していく感覚でした。堪らないものがあります。
惜しいと思ったのは終盤です。そこまでの丁寧さに比べると、仕上げに向かう流れが少し事務的でした。時計を見ているわけではないのでしょうが、手順が決まっている感じがして、こちらの熱が半歩置いていかれる。ここは好みが割れるところかもしれません。
身支度を整える時間
上がってからは、また落ち着いた口調に戻っていました。汗を拭いてくれる手つきが穏やかで、この時間が私は好きです。そういえば、部屋を出る前に冷たい飲み物を勧められたのですが、あれは気が利いていました。
玄関先で「またお願いしますね」と言われて、社交辞令だと分かっていても悪い気はしません。次の枠が取れるか心配になるくらいには、また来たいと思わされました。
終電まで少し時間があったので
帰りは電車に乗らず、少し歩いてからコンビニで冷たいものを買いました。真夏の吉原を汗をかきながら歩いて、それでも足取りが軽い夜というのは、そう多くありません。
予約が取りづらい理由は、行ってみて分かりました。空間そのものが特別で、そこに規格外の身体が乗っている。口調のギャップには最後まで慣れませんでしたが、それを差し引いても、また枠を狙う側に戻ると思います。
ゴムの扱いを含めた部屋の中の詳細と、枠の取り方は、限定エリアのほうに書いておきました。