沼津の夜、東名を降りて
木曜。仕事が長引いて、沼津まで戻ってきたのが21時過ぎだった。真夏の名残みたいな湿気がまだ残っていて、車を降りた瞬間に首筋がべたつく。
駅の北口の方をひと回りしてみたが、飲み屋の看板が半分くらいしか灯っていない。木曜の夜なんてそんなものかな。
結局いつも、この時間からになる。
東京まで出れば選択肢は何十倍にもなる。分かってはいるんだが、新幹線で往復して、ホテルを取って、終電を気にしながら遊ぶ時間を逆算して——そこまで考えている時点で、もう半分は地元で決めているんだよな。東京まで出るか迷う距離感というのは、この街に住んでいる人間の宿命みたいなものだったな。若いころは月に一度は品川まで出ていたけれど、今は年に数回あるかどうかだ。歳を取って腰が重くなったというより、単純に、往復の三時間ぶんを別のことに使いたくなっただけかもしれない。
そういうわけで、この日は静岡沼津サンキューにした。沼津と三島を中心に回しているデリヘルで、派遣先は自分で取った部屋になる。国道沿いのホテルに入って、部屋番号を伝えて待つ。この待ち時間が毎回どうにも落ち着かない。ちなみにそこの駐車場は柱の位置が悪くて、スタッフの誘導がないと出るときに一回切り返す必要がある。狭い。
店の説明は事務的で、そのぶん分かりやすかった。何分後に着く、延長したいときはどこに言う、というのを一度で言い切ってくれるタイプ。余計な世間話をされるより、こっちのほうがありがたい。
ひとつだけ渋ったのは指名料だ。この子はプレミア嬢の枠で、通常の指名にプラス三千円かかる。財布を開けながら、まあ写真を見て決めた以上は仕方ないかと自分を納得させた。写真指名で選んで、パネルを何往復もして、最後は一枚の立ち姿で決めている。
部屋に入ってきた24歳
目に入ったもの
インターホンが鳴って、ドアを開けた瞬間に思ったのは「うわ、背が高い」だった。168センチ。ヒールを脱いだあとでも目線がやけに近い。
黒に近い長い髪が、玄関の照明を受けてつやっと光っていた。ワンピースの上からでも胸の位置が分かる。Gカップという数字は、聞くより実物のほうが素直に驚く。
顔立ちには尖ったところがない。笑うと目が細くなって、24歳という年齢よりも少しだけ幼く見える。写真と本人の差はほとんど無かった。個人的にはここが一番安心したところかもしれない。
「わ、この部屋あったかいですね」と言いながら入ってきて、こっちが案内する前にエアコンのリモコンを探し始めたのが可笑しかった。気を遣わせる前に、自分でその場を居心地よくしてしまう人だ。
この時点でだいぶ気が楽になった。
手が触れてから
シャワーの前に少しだけ話した。関西の出だそうで、言葉の端々にイントネーションが残る。無理に作った甘い声ではなく、素のまま喋る。
肩に手を置いたとき、肌がもちもちしていて、思っていたより体温が高かった。冷房の効いた部屋の中で、そこだけ温度が違うみたいだったな。
飾らない、というのがこの人の一番の武器だと思う。たぶん今までいろんな相手と会ってきた上で、作り込まないほうが伝わると分かっている。その一方で、こっちが言わずに飲み込んだ側をちゃんと拾ってくる。「さっきの、ほんとは苦手なやつでした?」と急に聞かれて、笑ってしまった。細かいところを見ている。
そういえば、この日は帰りに港の方まで走ってラーメンを食べた。深夜まで開けている店がまた一軒減っていて、そっちのほうが今の沼津の切実な問題かもしれない。
扉が閉まったあとで
ここから先は、シャワーを浴びてベッドに移ってからの話になる。書ける範囲で書くと、この人は受けるのも攻めるのも両方いけるタイプで、60分という短い枠の中でこっちの体力の計算が完全に狂った。途中で「やばい、これは持たないな」と本気で焦った。
どこでどう狂ったのかは、限定エリアのほうに置いておく。
無料で書ける範囲を明らかに超えている。
終わってドアが閉まったあと、しばらくベッドの端に座っていた。エアコンの音だけがしている部屋で、さっきまで人がいた側のシーツがまだ温かい。こういう時間が一番、金を払った実感が湧く。
沼津にしてはアタリだったな、というのが正直な感想で、これは街を下に見ているわけじゃない。東京まで出なくてもここで見つかったことが、単純に嬉しかったという意味だ。
六項目、点をつけるなら
ルックス ★★★★☆
スタイル ★★★★★
おっぱい ★★★★★
アソコ ★★★☆☆
感度 ★★★★☆
性格 ★★★★★
アソコを三つにしたのは、そこを冷静に見極めるほどの余裕がこっちに無かったからで、完全にこっちの落ち度って感じかな。次に取るなら90分にする。あと注文をつけるなら、60分の枠だと最初の会話が駆け足になって、そこだけ少し物足りなかった。
この日の中身——オプションをひとつ足したときの流れ、手の使い方と力加減、60分のあいだに何回だったのか、そして最後がどういう形になったのか——は、まるごと限定エリアに書いた。