日曜の夕方、17時過ぎだった。午前中に行ったリフレで2回続けて不発を引き、一旦マックで時間つぶしてたけど気分は沈んだまま。ちゃんとHできる子に会いたい。それだけだった。山手線の窓に映る自分の顔がやたら疲れて見えて、鶯谷で降りる頃にはもう半ば投げやりだった。
ホテルの部屋で待つ。エアコンがやたらうるさくて、ちょっとイラッとした。壁も薄いし、隣の声が微かに聞こえてきて萎えた。正直、期待値はそこまで高くなかった。不発続きだったから、体が「どうせまた」と構えていたのかもしれない。
ドアを開けた瞬間、思考が止まった。小顔に大きな瞳。ぱっちりとした目元に、どこか品のある佇まい。茶髪で小麦色の肌だからパッと見はギャルっぽいのに、「よろしくお願いします」の声が柔らかくて礼儀正しい。このギャップ。丸みのある小さな顔、目が合うと吸い込まれそうな感覚。若槻千夏に似てると事前に聞いていたけど……いや、この子のほうが全然かわいい。
スタイルを見て息を呑んだ。手足が長い。細い。お腹がぺったんこ。スレンダーの完成形。20歳でこの身体は反則だろう。小さい頃からクラシックバレエとフィギュアスケートをやっていたらしく、なるほど、この体幹の張りと脚のラインはそういうことか。
「ちょっと緊張してます」と笑う顔に育ちの良さがにじんでいた。北陸出身で東京の音大に通っているという。ピアノもやっていたと。芸術畑の子特有の、繊細でちょっと不思議な空気感。嫌いじゃない。
快楽の記録
シャワーを浴びて戻ると、ベッドに腰かけた彼女がこちらを見上げていた。あの大きな瞳で。
「あのね」と少し恥ずかしそうに、でもまっすぐに言った。「クンニ、好きなの」
……この子、すごい。自分から言えるのか。その率直さに少し面食らいながら、了解、と頷く。好きなことを好きと言える子は、大抵とんでもなく気持ちいいことを知っている。
彼女の脚を開いて、最初は軽く。舌先で輪郭をなぞるように、ゆっくりと。ぬるぬると唾液が広がるたびに、彼女の腰が微かに揺れる。まだ焦らす。まだ。指先で太ももの内側を撫でながら、呼吸のリズムを読む。
1回目のガクブルは、ほんの2分くらいだったと思う。ビクッと背中が跳ねて、「ん……っ」と声を噛み殺すような喘ぎ。かわいい。でもまだ序の口。すぐに離して、首筋にキスしながら彼女が落ち着くのを待った。
2回目。今度はもう少し強く、舌の面を使って。「あ、だめ……っ」と手がシーツを掴んだ。太ももがぎゅっと閉じかける。でも閉じさせない。指で押さえて、焦らして、また離す。
3回目でようやく声が漏れ始めた。それまで抑えていた分が溢れるように、「やば……もう無理」と本音が出る。ここからが本番。
4回目。全身をびくびくさせながら腰を浮かせて、シーツがぐちゃぐちゃになった。汗で光る小麦色の肌。お腹がぺったんこだから、呼吸のたびに肋骨が見える。この感覚が堪らない。5回目は声にならない声。ただ体が震えていた。
「……交代していい?」
彼女が起き上がって、こっちを押し倒した。攻守交代。ぐったりしてるかと思ったのに、目が据わってる。あ、この子スイッチ入ったな。舌使いが思ったより上手くて、こっちが声を出しそうになる。経験浅いと言ったけど、嘘だろと思うくらいねっとりと、丁寧に。たまんね。
……正直、歯が軽く当たるときが2回あった。あ痛、と身構えた。あとリズムが一定すぎる瞬間もあって、力加減ももう少し緩急があれば最高だったのに。でもまあ経験4日って聞いたからしょうがない。それに、完璧じゃないからこそリアルなんだよな。
そこからまた攻守交代。彼女をイかせにかかる。ここでもう計2回のガクブルを追加。途中で「ほんとにもう……だめ」と本気で腕を掴んできた。この瞬間の表情を見るのが、なんだろう、快楽に溺れる。相手の限界を引き出す感覚。たまらなかった。
最後は自然な流れで。もう彼女の体がとろとろに溶けていて、じゅるっと入った瞬間に「あぁ……」と甘い声が漏れた。NN。高感度の子とのNNは格別で、中の締まりが波のようにぎゅうぎゅう変わる。動くたびにビクッと反応して、名前もわかんなくなってるような顔をしていた。
忙しかった。本当に忙しかった。でもその忙しさが全部、快楽に直結していた。
余韻
終わった後、しばらく天井を見ていた。彼女は隣で「はぁ……」と息をついている。達成感という言葉がぴったりだった。不発続きの2回分のフラストレーションが全部昇華された。
帰り道、鶯谷の駅前のコンビニでポカリを買った。喉がカラカラだった。ホームで風に吹かれながら考えた。高感度の子って、こんなに楽しいのか。技巧が上手い子とはまた違う。反応が全部リアルで、こっちが何をしても返ってくる。その双方向の感覚が、なんというか——快楽の本質なのかもしれない。
まだ4日しか出勤していないと言っていた。次いつ会えるかわからない。あの感度の持ち主に、もう一度会いたい。そう思いながら電車に乗った。ガタンゴトンと揺れる車内で、まだ指先に残る彼女の体温を感じていた。
この感覚の持ち主の名前と、彼女に会える場所を記す。