京阪に乗って、兎我野町まで歩いた
木曜の昼前。八月の終わりだというのに外へ出た瞬間に汗が噴き出るくらい暑い。京阪で淀屋橋まで出て、地下鉄に乗り換えて東梅田。電車を降りるころには背中が湿っていて、これから人に会う格好ではなかったな。
京都は表と裏があって、表通りだけ歩いていると街の半分も見えない。大阪も同じではある。曽根崎から一本入った兎我野町は、昼間に歩くと拍子抜けするくらい静かで、クリーニング屋と定食屋と、看板を出していないビルが並んでいるだけだった。
そういえば、約束の時間まで二十分あったのでコンビニで冷えたお茶を買った。ビルの前で立ったまま飲んでいたら、上の階から降りてきたスーツの男とばっちり目が合って、お互い何も言わずに視線を逸らした。この街の作法ではある。
そもそも今日は代休で、朝の用事を片づけたら昼が丸ごと空いた。京都で遊ぶ手もあったが、地元で顔を合わせる可能性を考えるとどうにも落ち着かない。四十分ほど揺られるだけで他人になれるなら、その運賃は安い。
目当ては新太陽ビルの六階、奥様の実話梅田店。人妻を看板にしているホテヘルで、七十分の枠が一万二千円ほど。室料込みでこの値段は梅田だと安いほうだな。指名したのはもえり、三十一歳。
六階のドアが開いて、白い歯がこぼれた — 奥様の実話梅田店
目に映ったもの
受付の男性は電話のときと同じ落ち着いた声で、部屋の番号だけ伝えて送り出してくれた。先にホテルへ入って待っていると、ノックが二回。開けたら、思っていたより背の低い人が立っていた。155cmらしいが、ヒールを脱ぐともう少し小さく見える。
「お待たせしてすみません、外あつかったでしょう」
第一声がこれで、こちらの湿ったシャツを見て笑った。造作が整っているというより、笑ったときに白い歯がこぼれる感じの可愛さだったな。写真と本人の差はほとんどない。パネルで裏切られる店ではない。
部屋は兎我野町の外れの古いホテルで、エアコンの効きが弱く、最初の十分は二人とも汗をかいたままだった。
体の線は細い。Cカップの控えめな胸で、そのぶん腰から脚にかけてがきれいに見える。むちむちを期待して行く店ではないな。祇園の雰囲気で言うなら、派手なお姐さんではなく、お茶屋の若い仲居さんに近い。人懐っこいのに前へ出てこない。
ルックス:★★★★☆
スタイル:★★★★☆
おっぱい:★★★☆☆
アソコ:★★★☆☆
感度:★★★★☆
性格:★★★★★
手のひらに残った感触
シャワーを先に借りて、出てきたら部屋の照明が落としてあった。並んでベッドに腰かけて、まずは世間話から。前職はコールセンターのオペレーターだったそうで、話の運びがうまい。こちらが黙っても間が気まずくならない。
キスが好きだと自分から言ってきて、実際そこから長かった。触れるだけのところから始まって、だんだん深くなる。手を握られたまま延々と続いて、気づいたら十分以上経っていた。時間を買って来ているのに、この時間が惜しくないのが不思議だったな。
途中で一度だけ、脱ぎ散らかしたシャツを畳んで椅子に掛け直してくれた。誰に教わったわけでもなさそうな手つきで、生活のある人だなと思った。
肌が薄い。少し力を入れると跡が残りそうで、首筋に触るとビクビクと分かりやすく反応する。感じているのを隠さないタイプだ。
そこから先の組み立ては、こちらが希望を口に出す前に向こうが引き受けてくれた。断られた記憶がない。
この先は限定のほうに畳んでおく
まじで時間の進みが速い店だった。七十分がこんなに短く感じたのは久しぶりで、残り十分をどう使うか焦ったくらいだな。
全部が完璧だったわけでもない。手の力加減が最初のうちは強くて、こちらが息を漏らしてからようやく緩んだ。回数を重ねれば噛み合うところだろう。
あとは会計。狭い受付で財布をもたついていたら、スタッフの表情が一瞬だけ曇った。この値段の店に目くじらを立てる気はないが、気持ちよく帰りたいならさっと払うに限る。
肝心のところ——最後にどういう流れになって、どこで終わったのかは、ここには書かない。表に出して自慢するのは粋ではないからな。名前と店は上に出しているので、続きと、指名するときのコツだけ限定エリアに置いておく。
店の作りは古いが、ロビーで他の客と鉢合わせしない導線になっている。この手の店で一番ありがたいのはそこだったりする。
帰りは東梅田まで歩いて、地下街のスタンドでコーヒーを一杯。まだ外は明るくて、勤め人が普通に歩いている時間だった。この時間に帰れるのが昼遊びのいいところではある。