きみへ
熊本市の家に帰り着いて、風呂ば沸かしながらこれば書いとる。八代からの帰り道の一時間、ずっときみのことば考えとったけん、そのまま文字にしておくたい。
正直に言うと、八代まで下ったのは気まぐれやった。下通りでよく見る店ばっかり回っとって、たまには知らん町の空気ば吸いたかっただけたい。
それが、こげん引きずるとは思わんかった。
八代の夜に見た顔
金曜の夜、八時ちょっと前に家ば出た。三号線ば南に下って一時間ちょっと。八月とはいえ、球磨川ば渡るあたりから雨がぱらぱら来始めた。ワイパーば一段上げたときに、なんで俺は今から知らん町で知らん女の子に会いに行きよっとやろか、ってちょっと冷静になったとばい。
待ち合わせは八代駅の裏手のホテルやった。熊本市内やったらまず選ばんような古か造りで、エレベーターがとにかく遅い。そのせいで妙にドキドキしてしもた。
部屋の扉ば開けたら、きみが小さく手ば振っとった。写真で見るより背は低い。十八って聞いとったけん、こっちは正直かまえとった。話が続かんかったらどうしよう、って。
それが、座って三分でどうでもよくなった。
「お兄さん、車で来たと?八代まで遠かったやろ」って、きみのほうから先に聞いてきた。俺が答え終わる前にモンスターのピンクが好きって話に飛んで、そこからカラオケの話になって、気付いたら十分経っとった。会話の主導権ば一回も渡さんかったのは、こっちの負けたい。
そういえば途中で音楽の話にもなった。余談やけど、俺が車で流しとったやつば言うたら「それ知っとる」って食いついてきて、そこから十分くらい脱線した。イラストば描くとが趣味らしくて、スマホの中の絵まで見せてくれた。うまい。マジでうまい。こういう部屋でスマホの絵ば見せられるとは思わんかったたい。
話が逸れた。顔の話たい。目がでかい。ぱっちりというより、じっと見られると落ち着かんタイプの目たい。髪にはハイライトが入っとって、パネルより明るく見えた。
体のことは正直に書くばい。九十五のE。数字だけ見ると身構えるばってん、実物は張っとるというより柔らかさで押してくる感じやった。うわっ、と声が出た。抱いたときの馴染み方がヤバい。細か子にはこれは出せん。
ぽっちゃりって書く人もおるとやろうけど、俺は「ちょうどよか」って言いたい。熊本んもんは、こういう体つきば昔から「肉付きのよか」って言うとる。
年は十八。こっちが勝手に身構えとっただけで、実際は妙に落ち着いとった。焦って喋らんし、こっちが黙っても平気で待てる。若かとに、間の取り方が若くなかたい。
あの九十分のこと
シャワーば浴びとる間、きみは脱衣所の外から話しかけ続けとった。無言の時間ば作らんように気ば遣っとるのが分かって、それだけで点が上がった。
ベッドに戻ったら、先にきみが隣に寝転んで腕ば絡めてきた。「ちょっとだけこうしとってよか?」って。
この時点でもう半分満足しとった。
で、ここからが本題たい。手が上手い。速さで押すんやなくて、力の抜き加減が上手か。強くしたり弱くしたり、こっちが息ば止めた瞬間だけピタッと止まる。目ば見ながらやるけん、反応ば全部読まれとる。八代まで来てこれかい、と思うたばい。
口も丁寧やった。ヌチャッとした音がずっとしとって、途中で一回だけ歯が当たった。そこはちょっと残念やったばってん、すぐ「ごめんね」って離した。素直に謝れるとが十八とは思えん。
交代してこっちが触る番になったら、反応がまた別物やった。首筋から鎖骨に指ば滑らせただけで、ビクッと肩が跳ねる。背中にゾクッと来たとが伝わってくる。胸が弱かとは本人も言うとった通りで、乳首に触れた瞬間に声が変わった。「あっ、待って」って言いながら腰が逃げる。
演技には見えんかった。濡れ方が早い。指ば入れる前から太腿の内側まで来とった。
この辺の細かかところは、無料でぜんぶ書くわけにはいかんけん後ろに回す。
性格の話ばもう少し。きみは、ずっとにこにこしとるタイプやなかった。笑うときはちゃんと笑うばってん、ふっと素に戻る瞬間がある。俺はそのギャップのほうが良かった。作り笑いばっかりの子より、よっぽど信用できるたい。
店の対応のことも書いとく。電話の受け答えが妙に丁寧やった。八代のこの手の店は用件だけ事務的に済ませるところが多か。ここは「初めてですか」から入って、こっちのペースに合わせてくる。返金保証ば看板に出しとる店やけん、そのへんは意識しとるとやろ。
不満ばひとつ書くと、時間の使い方がちょっと下手やった。前半の会話が楽しすぎて、気付いたら残り二十分になっとった。あれは俺も悪かばってん、途中で一回「そろそろいこっか」って言うてくれると助かる。そこだけは惜しい。
あと部屋が寒かった。空調の効きが微妙で、これは店の話やなくてホテルの話たい。
また下ってくるけん
八代まで一時間かけて下る価値があるかって聞かれたら、俺は「ある」って答える。熊本市内で同じ金額ば出しても、この密着感は出てこん。そこだけは書いておきたかった。
九十分が終わって、玄関で「気ぃつけて帰ってね」って言われたとき、俺はもう次の予約のことば考えとった。帰りにコンビニでコーヒー買うて、車の中でしばらくぼーっとしとったたい。
中身の細かかところと、料金・予約の取り方・何分ば選ぶべきかは、登録してくれた人だけに書いとくたい。