花街の夜に、ふらりと
十月の終わりだったと思う。仕事が早めに片付いて、気づいたら山手線に乗っていた。
鶯谷で降りる。昼間は閑散としているくせに、夜になると独特の空気をまとうこの街が、なぜか好きだ。
路地の奥に灯る赤い光。煙草の煙でも漂ってきそうな路地を歩きながら、今夜は少し贅沢をしようと決めた。
向かったのは吉原の老舗。以前から気になっていた店だ。受付でコースを告げると、スタッフの対応が妙に丁寧で、それだけで少し緊張が解けた。待合室のソファに腰を落として、さて誰が来るのかと思っていたら——
ドアが開いた。
目が合った瞬間、全部わかった
小柄だった。でも、その小ささが威圧的なくらいエロかった。
写真で見たまま、いや、写真より表情が豊かで、目が笑っていた。パネマジ一切なし。これだけで今日来た甲斐があると思った。
「よろしくお願いします」と言いながら、もう近い。距離感が最初から近い。香水なのか、素の匂いなのか、甘くて少し柔らかい香りが鼻をかすめた。
明るい。話し方がテンポよくて、こちらの緊張をするすると解いてくれる。でも、ふとした瞬間に目線が変わる。
——ああ、この子は攻めてくるタイプだ。直感でわかった。
ふたりの時間
部屋に入ってすぐだった。
「緊張してる?」と聞かれて、「まあ少し」と答えたら、ニッと笑って間髪入れずにハグされた。そのままキス。挨拶でも準備運動でもなく、最初からちゃんとしたキスだった。唇が柔らかくて、少し驚いた。
事前に自分がMだということを伝えていたのを、ちゃんと覚えていてくれた。
そっとTシャツの裾をつかんで、半分だけ引き上げる。顔にかぶさるように生地をたくし上げると、視界が塞がれた。目隠し状態のまま、乳首に唇が触れる。
ぞくっとした。見えない、というだけでこんなに感覚が鋭くなるのかと、ぼんやり思った。
「ここ、弱い?」と囁かれたら、もう声が出なかった。
服を全部脱がされると、バックで素股に移った。
当たり方が絶妙で、入ってるような感覚で何度かイキそうになるのを、歯を食いしばって耐えた。正直、ここで終わってたかもしれない。危なかった。
そのままソファに腰掛けるよう誘導されて、対面座位でNN。
目線が近い。密着したまま動かれると、体温が直接伝わってくる。これが気持ちいいだけじゃなくて、なんか、エロかった。視覚的に。
ベッドに移って、今度は騎乗位。
小柄なのに動きが大きくて、腰の使い方が上手すぎる。リズムが変わるたびに声が漏れて、それがまたこちらの体温を上げる。
飲み物を出してくれて、少し休憩した。
「まだいける?」と聞かれて、「余裕」と強がったら笑われた。この会話の感じが、ちゃんと「人間同士」で良かった。
2回戦は向こうから仕掛けてきた。
気づいたらディープキスになっていて、唾液の音がして、そのまま下に移動されて即尺。
フェラの技術が高い。力の入れ方と抜き方のバランスが絶妙で、焦らされてる感覚がある。「もう入れたい」と言ったら、またニッと笑われた。
騎乗位から始まって、途中で正常位に切り替わった。
その途中だった。突然、りおんちゃんの声のトーンが変わった。
「あ、やば……っ」
そう言ったかと思ったら、シーツがびしょびしょになった。
完全に潮吹きだった。こちらも驚いたが、本人もちょっと驚いてた。「ごめん、久しぶりにイっちゃった」と言いながら照れてた。その顔が、今日一番可愛かった。
正直に言うと、ホールの締まりがきつめで、正常位の途中からずっと限界に近かった。
最後は脚を絡めてきて、密着したまま押さえ込まれる形になった。
動けない。逃げ場がない。そのままイキ果てた。
「すごいの出た」と言われて、少し恥ずかしかった。
一点だけ正直に書くと、部屋が少し狭く感じたのと、2回戦の途中でお互い汗だくになったので、もう一度シャワーを使えたらよかったなとは思った。でもそれ以外は、本当に文句のつけどころがなかった。
ドアが閉まるまで
お見送りのとき、「また来てね」と言われた。社交辞令でもいい。でも、顔が笑っていた。
廊下を歩きながら、ぼんやり考えた。「また来る」と思わせる子が、本当の意味でうまい子なんだと。
吉原の夜風は、思ったより冷たかった。でも、足取りが軽かった。
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