竹田の裏道、雨の水曜
京都は表と裏があって、観光客が歩く四条や祇園の雰囲気で遊ぶ夜もあれば、地図にほとんど名前の出ない南側で静かに過ごす夜もある。この日は後者だったな。
九月の水曜、仕事帰り。烏丸の会社を出たのが19時過ぎで、朝から降っていた雨がまだ止んでいなかった。
いつもなら木屋町の奥に寄って一杯やってから考えるところ。けれどその日は妙に疲れていて、酒より人の体温が欲しかった。
電車で京都駅まで出て、八条口からタクシーに乗る。竹田のほうへ向かう道は、同じ京都とは思えないくらい暗い。ワイパーの音と、運転手さんのラジオから流れる野球中継。車内にあったのはそれだけだ。
選んだのはドMバスターズ京都店。名前だけ聞くとずいぶん尖った店に思えるけれど、受付の応対は落ち着いていて、電話口の声も丁寧ではある。前日のうちに押さえておいたのは、あんじゅという24歳の子。出勤は週に数日、それも夕方からの短い枠しかないらしい。空いている日を見つけた時点で、迷う理由はなかったな。
ホテルに入ってから、腹が減っていることに気づく。そういえば昼に口にしたのはコンビニのおにぎり一個きり。部屋の冷蔵庫は空っぽで、少し焦った。
浴衣の写真より、ずっと柔らかい人 — あんじゅ
ドアの隙間から見えたもの
ノックが二回。
開けると、小柄な女の子が傘を畳みながら笑っていた。153cmと聞いていたが、実物はもう少し小さく見える。そのぶん胸元の存在感が際立っていて、ニットの上からでも輪郭がはっきり分かるほど。宣材の浴衣姿はどこか澄ました印象だったのに、目の前の本人は目尻が下がりっぱなしで、ずっと人懐っこい。
「濡れてません?タオルありますよ」
こちらが言うはずの台詞を先に言われて、思わず笑ってしまった。
化粧は薄め。この仕事を始めてまだ日が浅いそうで、所作に擦れたところがない。この慣れていなさを物足りなく感じる人もいるだろう。ただ、祇園の雰囲気で気取った接客にくたびれていた身には、むしろ心地よかったな。
指先が覚えていること
ソファに並んで座ると、向こうから肩を寄せてくる。距離の詰め方に迷いがない。
指が細くて、爪の先まで手入れされている。その指でこちらの手の甲をなぞりながら、今日の仕事の愚痴を聞いてくれた。相槌の打ち方がうまい子だ。話を急かさず、途中でちゃんと笑い、最後まで聞く。京都の女の子にありがちな、にこやかだけど一枚隔てた感じがまるでない。
話の流れで、好きなものを聞いてみた。甘いものも好きだけど、仕事終わりのレモンサワーがいちばんだという。手ぶらで来たことを少し後悔した。京都で遊ぶなら、こういう小さな手土産ひとつで夜の手触りが変わる。次は駅前で何か買ってこようと、この時点で決めていた。
部屋は正直狭い。ベッドとソファの間は人ひとり通るのがやっとで、エアコンの効きも悪く、雨の湿気で蒸し暑かった。それでも気にならなかったのは、隣にいる体温のせいではある。
ルックス:★★★★☆
スタイル:★★★★☆
おっぱい:★★★★★
アソコ:★★★☆☆
感度:★★★★☆
性格:★★★★★
湯気の向こうの、入口のところまで
シャワーは一緒に。泡立てたボディソープを胸で広げてくれるのだが、力加減がまだ探り探りで、それがかえって初々しい。
「くすぐったいですか?」と聞くので「ちょうどいい」と返すと、嬉しそうに頷いた。
湯船に並んで浸かったところで、向こうから唇を寄せてくる。ここから先に、この子の本領がある。ねっとりと長く、息継ぎのたびにまた戻ってくるキス。これが新人の間合いなのかと、まじで驚かされた。
湯から上がると、バスタオルで背中を拭いてくれる。こちらが拭き返そうとすると「自分でやります」と笑って逃げ、そのくせ鏡越しにこちらの様子をうかがっている。
その距離の取り方が、妙に上手い。ドMを看板にする店だから、もっとおどおどした子が来るものと思い込んでいた。実際は逆で、場の主導権はずっと彼女が握っていたな。
ベッドに移ってからのことは、ここには書かない。
あの雨の夜の続きは、限定公開に記しておく。
閉じたドアの外で
帰りはタクシーを拾わず、竹田駅まで歩いた。雨はもう小降りで、線路沿いの道にラーメン屋の灯りが一つだけ点いている。
腹は減っていたはずなのに、暖簾をくぐる気にはならなかった。口の中に残っているものを、醤油の味で上書きしたくなかったのだと思う。
名前と店はもう書いた。書いていないのは、ベッドの上で何があったかと、指名するときのちょっとしたコツだけ。それは限定エリアで。