四十六歳、157センチ。数字だけを並べれば、横浜の夜にいくらでもいる熟女の一人に見える。けれど店側の説明は、この人を年齢のわりに綺麗め寄りで、老け込んだ気配の薄い側に置いている。DカップのB88に、ウエスト59。細い腰の数字が、ほんの少し年齢の輪郭をぼかしている。
客側で確かめられる記録は、九月半ばの一件だけだ。昼の枠、120分。初対面でも身構えずに話せる相手で、熟女らしい落ち着きに、自然と身を任せたくなる空気があったらしい。差し入れをいくつも抱えてきて、なかでもタピオカが妙に印象に残っている。そういう、ちょっとした手土産で部屋の温度を先に上げてしまう人なのだろう。店側も明るくて会話が弾むと書いていて、そこは客側の記録と食い違わない。写真の点数も高く、写真と実物の差を気にする記述は見当たらない。
この人を語るなら、レンズの話は外せない。カメラやスマホでの写真・動画撮影が、彼女だけの個人オプションとして店に用意されていて、本格的な機材を持ち込んでも構わないという。確認できる一件でも、ドアを開けた瞬間から撮影が始まり、足元から顔までを収め、風呂でもベッドでもレンズを向けたまま時間が流れていた。プレイはお尻への舐め、胸で挟む愛撫、スマタと濃いめに進み、果てたあとも熱が引かずにまだ続いた。
向いているのは、撮る側に回りたい人。それから、年上の女性の余裕に包まれていたい人。逆に撮影に興味がない人にとっては、この人のいちばんの個性が空振りになるかもしれない。
注意点もある。撮影オプションの料金や、撮った写真・動画の扱いに関する決まりは、手元の素材には書かれていない。予約の段階で店にはっきり確かめておいたほうがいい。店は奔放な私生活や過去の経歴にも触れているが、客側にそれを裏づける記録は無い。性格も体つきも、今のところ一人の目を通した像でしかない。
昼下がりの部屋で回り続けるレンズと、その向こうで笑う四十六歳。その像がどこまで本物なのかは、まだ一枚分しか分かっていない。