【鶯谷】刺青の美女が教えてくれた夜の温度
夜の始まり
鶯谷という街には、東京の他のどこにもない匂いがある。駅を出てすぐの路地裏には古びた旅館が並び、蛍光灯の明かりが湿った空気を橙色に染めていた。久しぶりにこのエリアを訪れたのは、あるデリヘルのプロフィール写真に惹かれたからだ。タトゥーをまとう美形の女性。その写真からは、どこか退廃的な美しさが滲み出ていた。
出会い
部屋のドアが開いた瞬間、彼女の存在感に圧倒された。写真とほぼ変わらないその美貌。細い体に不釣り合いなほど豊かな胸。背中に大きく描かれたタトゥーは、薄暗いホテルの照明の下でどこか神秘的にすら見えた。右手にも、そして体の各所にも繊細な模様が散りばめられている。
彼女は明るい声で挨拶をしてくれた。その声は想像していたクールな印象とは少し違って、天然の陽気さを感じさせた。美形のギャルという言葉がこれほど似合う人はいないだろう。
ふたりの時間
シャワーを済ませてベッドに向かうと、彼女は長い爪で僕の体を撫で始めた。フェザータッチ。その指先が肌の上を滑るたびに、微かな電流が走るような感覚が全身を駆け巡る。まるでメンエスのような施術に近い、不思議なプレイだった。
彼女は終始おしゃべりを続けていた。好きなことの話、これからの計画の話。こちらが相槌を打たないと永遠に話し続けるような天然さがある。不思議と不快ではなかったが、その会話の勢いをプレイの熱に転化できる器用さは持ち合わせていないようだった。
ローションを使った奉仕へと移行すると、彼女の表情が少しだけ変わった。サバサバとした態度の中にも、プロとしての矜持が垣間見える瞬間だった。業界での長い経験を思わせる手際の良さで、淡々と、しかし確実にこちらの感覚を高めていく。
こちらから攻めようとすると、彼女は少し身を引いた。攻められることにはあまり興味がないらしい。濡れる様子も薄く、そこにはある種の壁があった。しかしその壁の向こうから微笑みだけは絶やさない彼女の姿に、不思議な色気を感じたのも事実だ。
フィニッシュへの流れは彼女主導で、密着した素股から最後まで。あの細い体が密着してくる感覚と、目の前に広がる豊かな胸の造形美は、視覚と触覚の饗宴だった。
別れ際
ドアが閉まった後も、彼女の声の残響が部屋に漂っていた。窓の外では鶯谷の街が相変わらず橙色に光っている。美しいものは必ずしも温かいとは限らない。けれど、あの夜の彼女が見せてくれた温度は、この街の空気と同じように、どこか懐かしい湿り気を帯びていた。